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放射線への不安拭えず 避難指示解除1カ月 復旧・復興、始まったばかり 福島

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放射線への不安拭えず 避難指示解除1カ月 復旧・復興、始まったばかり 福島

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が県内の4町村で解除されて1カ月がたったが、4町村の帰還者数は2~3%にとどまっている。特に富岡町の帰町者数は対象人口の1・3%にすぎない。いまだに放射線への不安は根強く、避難生活が長期にわたったため、避難先で新たな生活を始めた人も多い。復旧・復興も避難解除とともに始まったばかりで、本格化はこれからだ。(大渡美咲)

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 帰還困難区域を除いて避難指示が解除された富岡町では対象となる9503人のうち、128人が帰町した。同町では解除に伴い、路線バスの運行や大型商業施設がオープンした。今年度中には町営の災害公営住宅約150戸を整備する予定のほか、10月にはJR富岡駅も再開する。さらに、県が町内に24時間対応の救急病院「ふたば医療センター(仮称)」を来年4月に新設する予定で、インフラ整備が本格化するのはもう少し先になる。

 町の担当者は「本格的な復興はこれから。インフラが整えば徐々に帰還者も増えるのでは」と話す。

 また、同町では先月、福島第1原発の廃炉に向けた研究拠点として、日本原子力研究開発機構が整備を進めてきた、廃炉国際共同研究センターの付属施設「国際共同研究棟」が完成。施設の職員などの関係者から、町内への転入についての問い合わせもあったという。

 同町の宮本晧一町長は「当町は地震、津波だけではなく原子力事故が重なった複合災害からの再生であり、いまだ人口の約3割の方々が居住していた地域が帰還困難区域。古里への愛情を持って取り組みを進めていく」などととコメントしている。

 浪江町では4月1日、JR常磐線の浪江-小高駅間が運転を再開し、仙台圏と鉄路でつながった。今年8月ごろには集合住宅80戸が完成し、来年4月までに災害公営住宅など計165戸が完成予定で、帰還者も増えるとみている。

 一方、商業施設などはいまだ不十分な状況が続いている。