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東北初 秋田県人口100万人割れ 昭和31年から26%減

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東北初 秋田県人口100万人割れ 昭和31年から26%減

 〈秋田〉県は21日、今年4月1日時点の県人口が99万9636人となり、前月から4674人減少し、100万人の大台を割りこんだと発表した。東北地方では初めてで、全国では10番目に少ない。県人口が90万人台になるのは昭和5年(1930年)以来87年ぶり。ピークだった昭和31年(1956年)の135万人から26%減少した。

 県の人口減少の特徴は、若者らが進学や就職を機に県外に流出する「社会減」が多いことで、今回の減少数の約8割に当たる。

 佐竹敬久知事は21日、社会減を「5年間で半分くらいにしたい」という目標値を示した。4月に新設した「あきた未来創造部」で、若者の地元定着に向けた県内の就職促進や子育て支援などの施策を強化する。

 総務省がまとめた昨年10月1日現在の人口推計によると、人口100万人未満の県は、最も少ない鳥取(57万人)をはじめ9県。だが、秋田の平成28年の人口減少率は1・3%と4年連続で全国ワーストを記録し、近年は年間1万3000人前後のペースで減少。国立社会保障・人口問題研究所は、平成52(2040)年に70万人まで減ると推計している。

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 ■出生・死亡率ワースト1 都市部への若者流出も要因に

 県の人口関連統計には「ワースト1」がつきまとう。総務省によると、昨年10月時点で人口に占める65歳以上の高齢者比率は34・7%と全国トップである一方、15歳未満の割合は10・3%と全国最低。厚生労働省によると、平成27年の出生率や死亡率、自殺率、出生数から死亡数を引いた自然増減率、がん死亡率、脳血管疾患死亡率、婚姻率などがすべて全国ワーストという有り様だ。

 「ワースト集中」には複合的な要因がある。山間部で過疎が進む一方、若年層が魅力を感じる進学先や雇用の受け皿が乏しいことだ。景気回復とともに、若者の都市部への流出は加速している。

 県内の国公立大学には法律、経済などを学べる学部がほとんどなく、多くの生徒は高校卒業後、県外に出てしまう。東京に本社を置く大手金融機関の秋田支店長も「やむなく県外の大学から採用している」とため息をつくほどだ。こうした人材の「ミスマッチ」解消に向けて、関連学部の新設や改組が急がれる。

 かねてから、秋田の地域に伝わる文化や食には「観光資源としてのポテンシャル(可能性)が高い」と指摘されてきた。だが、これらを雇用の改善や観光誘客に結びつけることは簡単ではない。地域交通の整備も課題になってくる。

 また、高齢者など県外からの移住者の増加を目指し、JR秋田駅周辺で進む「CCRC」構想の行方も見えにくい。秋田を「終の棲家」としてやってくる人々を受け入れる体制の充実も求められる。

 一連の政策を実現し、秋田に活力を取り戻すためには「元号が代わる可能性がある平成31年、五輪イヤーの32年が一つの節目になる」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)との指摘もある。時間の猶予はない。(藤沢志穂子)