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防災ヘリ墜落 愛知県と応援協定締結へ GW前に航空消防力補填 長野

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防災ヘリ墜落 愛知県と応援協定締結へ GW前に航空消防力補填 長野

 県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故によって失われた航空消防力を補填(ほてん)するために県は21日、愛知県との間で防災ヘリの応援協定をゴールデンウイーク(GW)前に締結する方針を明らかにした。3月5日の事故発生後、幸いにもヘリによる消火活動が必要になるような大規模な山林火災はないが、県危機管理部は「県民に安心してもらえる態勢の強化に引き続き取り組んでいきたい」としている。

 県防災ヘリを失ったことで、地上からの消火活動が困難な山林での火災への対応が、大きな懸案になっている。県が2機ずつを保有する県警ヘリとドクターヘリは消火能力を持たず、県土の約8割が森林で占められるなか、山林火災に見舞われた場合には他県からの消防防災ヘリの応援に頼らざるを得ない。

 県は、防災ヘリ墜落事故以前に、隣接する新潟、山梨、群馬、静岡、富山、岐阜の6県との消防防災ヘリの相互応援協定を結んだ。事故を受けて初めて実施した「春の山火事予防特別強化月間」(3月17~4月16日)の期間中、山林火災による応援要請は山梨、群馬、静岡の3県に計4回行ったが、いずれも地上からの消火活動にめどがついたため実際の出動には至らなかった。

 県は事故後、6県との協定に加えて埼玉、愛知両県との間で消防防災ヘリの派遣を受ける協定締結に向けて協議を開始した。埼玉県とは3月30日、出動費用のほぼ全額を負担して片務的にヘリの応援を受ける「特別応援協定」を締結した。

 一方で愛知県とは、同県側の人事異動や財政当局との調整などで想定以上に時間を要したが、GWを前にようやく協定締結へ最終局面に入った。県危機管理部によると、協定の内容は埼玉県のものとほぼ同じで、燃料費や出動に伴う隊員の特殊勤務手当、旅費、宿泊費などは、依頼した長野県側が負担することが盛り込まれる見通し。

 愛知県との協議について阿部守一知事は21日の記者会見で「実務的にはしっかりと話が進んでいる」と説明した。県防災ヘリを欠いたなかでの消防防災活動に関しては、他の7県との協定の存在を挙げて「具体的な支障は出ていない。自前のヘリがあるのとはかなり違う状況だが、最善の対応をしてきている」と強調した。