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神栖済生会の増築決定 2病院再編、鹿島労災敷地に分院 茨城

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神栖済生会の増築決定 2病院再編、鹿島労災敷地に分院 茨城

 医師不足で経営難が続いている神栖市の鹿島労災病院(土合本町)と神栖済生会病院(知手中央)の再編統合をめぐる再編統合協議会(会長=小松満・前県医師会長)は19日の会議で、神栖済生会を増築し、鹿島労災の所在地に「分院」を新築する基本構想を決定した。平成30年度内の統合を目指す。

 基本構想では、統合時に神栖済生会が両病院の診療科を引き継ぎ、約179床でスタート。最終的には地域の中核病院として、医師50~80人を確保し、約350床を有する2次救急病院とする。鹿島労災から災害拠点病院としての機能も継承する方針。また、現在の鹿島労災の駐車場に分院となる10~19床の有床診療所を建設し、主に軽症患者の診察にあたる。

 医師不足や赤字経営などの問題を抱えていた両病院をめぐっては、昨年6月に「今後の在り方検討委員会」が(1)神栖済生会を増築(2)鹿島労災跡地に新築(3)別の場所に新築-の3案を提示。同協議会が昨年8月から議論を行い、これまでに3回の説明会で住民らと意見交換を行っていた。

 鹿島労災から神栖済生会までは車で20分ほどかかり、鹿島労災のある波崎地区の住民からは「車を運転できない高齢者は通院が大変」「波崎地区の医療を衰退させないで」という意見も出ていた。

 小松会長は会議後の記者会見で、神栖済生会の増築と分院新築に決定した理由について、事業費が約72億円と最も少なく、済生会病院が高台にあり、災害拠点として適切だと強調。「(病院は)近くにあった方がいいのは分かるが、現状を考えて理解してもらえたのではないか」とも述べた。

 県厚生総務課によると、26年12月時点で、県の人口10万人当たりの医師数は177・7人と全国都道府県でワースト2位(全国平均は244・9人)。鹿行地域をみると、90・7人とさらに少ない。県内では医師確保が喫緊の課題となっている。

 小松会長は「医師が少ない現状で地域医療を充実させるため、今後の病院の合併や統合の先例になれば」と語っている。