産経ニュース

手が不自由でも楽しく編み物 さいたまの女性がユニバーサルかぎ針考案 普及に尽力

地方 地方

記事詳細

更新


手が不自由でも楽しく編み物 さいたまの女性がユニバーサルかぎ針考案 普及に尽力

 さいたま市見沼区の手編み講師、平田のぶ子さん(57)は、加齢や病気、障害などで手が不自由になった人でも編み物を楽しめるユニバーサルかぎ針「あみ~ちぇ」を考案し、普及活動を行っている。27、28両日には都内で開催される「日本ホビーショー」に出展しワークショップなどを開催。平田さんは「あみ~ちぇ」に「何歳になってもどんな状況でも趣味を楽しんでほしい」という願いを込めている。(菅野真沙美)

                    ◇

 ◆ないなら自分で

 「あみ~ちぇ」は、握力が弱い人や手が動かせない人でもかぎ針を握らずに編み物ができるよう、本体に通常のかぎ針を差し込み、補助バンドで手に固定。本体が緩やかにカーブを描く形になっていることから、さまざまな症状の人の手にフィットする。

 県産和紙などを使い華やかな装飾を施したプレミアムタイプ(2万9160円)と、より多くの人に使ってもらえるように考案したスタンダードタイプ(6264円)の2種類を販売している。

 平田さんは看護師として大学病院に勤務後、結婚を機に退職。子育てが一段落したのを機に趣味で続けていた編み物を本格的に専門学校で学び、講師の資格を取得した。

 高齢者や持病がある生徒らを指導する中で、かぎ針を握るのが難しくなった人たちにももう一度編み物を楽しんでもらいたいと考えるようになったが、適した市販の商品が見つからない。そこで平成24年秋ごろ、「ないなら自分で作ろう」と考えたのが開発のきっかけだという。

 完成までに製作した試作品は約100種に上る。紙粘土で作った本体とかぎ針が一体になった初期のものに、試作メーカーや生徒の意見を取り入れながら徐々に現在の形に近づいていった。25年4月ごろからは特許や経営なども学び、着想から約4年後についに販売を開始した。

 ◆亡夫が後押し

 困難も多かったが、26年4月に肺がんで死去した夫、啓一さんの言葉が支えになった。「病床でも『そんな良い物を考えたんだから、世の中に役立てなさい』と言ってくれて。亡くなった後も背中を押されました」

 27、28両日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われる日本ホビーショーでは、介護現場などで行われる手芸やクラフトを紹介する「クラフトレクリエーション」ブースに出展する。平田さんは「将来的には、あみ~ちぇ利用者の作品を販売できるような仕組み作りもしていきたい」としている。

 問い合わせは手編みサロン「あみ~ちぇ」(電)050・3735・9569。