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色あせぬ130年前のカワウソ 来月4、5日 県博で胎児標本展示 栃木

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色あせぬ130年前のカワウソ 来月4、5日 県博で胎児標本展示 栃木

ホルマリン漬けのカワウソの胎児 ホルマリン漬けのカワウソの胎児

 栃木県立博物館(宇都宮市睦町)で5月4、5日に130年前のニホンカワウソの標本が展示される。絶滅種の上、全国的にも珍しい誕生直前の胎児の標本だ。保存状態は良好で茶色の毛の色がほとんど退色しておらず、標本になった経緯も伝わっている。収蔵品を紹介するテーマ展に合わせて19年ぶりに特別公開される。

 同館などによると、ニホンカワウソは全国に広く分布していたが、昭和54年の高知県須崎市での記録以降は明確な目撃例がなく、平成24年に絶滅種に指定された。ただ、その後も「目撃した」という情報もあり、生存の可能性も指摘されている。栃木県内では昭和10年の大田原市での捕獲記録や25年の奥日光・西ノ湖でのカワウソとみられる動物の捕獲記録がある。

 同館が保存するカワウソの標本は、明治17(1884)年、群馬県で捕獲された雌の体内から取り出した雄雌1匹ずつの胎児。出産直前とみられ、体長約20センチに成長、毛も生えそろっていた。エタノールを満たしたガラス瓶が桐箱の中に納められ、長く保存されてきた。桐箱には経緯が詳細に記述され、明治17年3月15日、現在の前橋市の群馬県庁近くで捕獲されたことが分かる。商売に使うウナギを食べられる被害に困って捕獲したという。

 同館では収蔵品、標本を紹介するテーマ展「収蔵庫は宝の山!」(6月18日まで)を開催中で、同展に合わせてゴールデンウイーク中の2日間、2階展示室2入り口で午後1~4時、カワウソ標本を特別公開。林光武(てるたけ)自然課長は「2日間の決められた時間だけで申しわけないが、長時間展示すると退色してしまう。130年前の標本なのに茶色の毛の色もしっかり残っている。生物学的にも意味があり、標本になった由来がはっきりしている点も貴重」と話し、博物館が果たす資料保存の役割を理解してもらうにはうってつけの“お宝”だという。

 展示は平成13年以来。他館への貸し出しも過去1回だけという、ほぼ門外不出の資料だ。