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「黄門さまのお茶」現代に 「初音」復活へ、城里で苗木定植 茨城

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「黄門さまのお茶」現代に 「初音」復活へ、城里で苗木定植 茨城

 「水戸黄門」こと水戸藩2代藩主、徳川光圀公が好んで飲み、名付けたとされるお茶「初音(はつね)茶」を現代に復活させるプロジェクトが城里町で進められている。プロジェクト開始から約3年。苗木の生育の弱さという課題を乗り越え、定植する段階までこぎ着けた。お茶離れや生産者の高齢化が進む中で、地元産のお茶のPR材料になればと関係者らは期待を込める。(上村茉由)

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 ◆産地イメージ向上を

 プロジェクトの舞台は、さしま茶、奥久慈茶と並んで県内の三大銘茶とされる古内茶の産地、城里町古内地区。同町上古内の国登録有形文化財「島家住宅」前の畑で20日、農家や地域おこし協力隊らが集まり、高さ20センチほどに成長した苗木350本を植え、霜よけのネットを張るなどの作業を行った。

 古内茶生産組合の前組合長、高安達夫さん(57)は「やっとここまできたという思いと、これからだという思いがない交ぜ」と笑顔を見せた。

 同組合によると、光圀公が清音寺(同町下古内)で栽培されたお茶を飲んで感銘を受け、「初音」と名付けたとされている。光圀公が推奨したため一時は同地区一帯で栽培されたが、現在は清音寺の境内に原木が1本残るのみだという。

 平成23年の東京電力福島第1原発事故の影響を受け、古内茶は一時出荷停止となった。出荷再開後も消費は伸び悩んでおり、古内茶のブランドイメージや知名度の向上につなげようと26年7月、農家と町などが協力してプロジェクトを始動した。

 ◆350年の時を超え…

 26年から毎年、原木から挿し木して苗を作っているが、古い品種のため細く生育が弱いという。26年は1千本を挿し木したが、残ったのは630本。そのうち今回定植できるまでに育ったのは350本だった。残りは27、28年に挿し木したものとともに県山間地帯特産指導所(大子町)で育てられている。

 今後はあと1500本ほどの苗を植え、畑を約6アールまで広げる。今回定植したものが収穫できるまでには5~7年ほどかかるという。「普通のお茶より手間暇がかかるが、光圀公が『おいしい』と言ったのだからおいしいはず」と高安さん。350年の時を超え、光圀公がたたえた味を楽しめる日は、着々と近づいている。