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【夢を追う】鷹匠・石橋美里さん(4) 「死」を通して「生」伝えたい

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【夢を追う】
鷹匠・石橋美里さん(4) 「死」を通して「生」伝えたい

ハヤブサ型ラジコンを手にする石橋さん ハヤブサ型ラジコンを手にする石橋さん

 《短大の2年間で小学校教諭の免許を取得し、卒業する》

 「タカと過ごしたい」という気持ちは全く変わりませんでした。タカを使って生活するプロになる、という決断は、私にとっては当然でした。

 父の存在は大きいですね。これまで、飼育方法や害鳥排除のノウハウ作りなど、二人三脚でやってきました。すべて自己流の手探りです。経営でも、まだまだ父に頼らないといけない部分はたくさんあります。

 《現在、小・中学校で特別授業を担当する。飼育を通じた「命」の感覚を伝えたいと考える》

 タカの餌はヒヨコの肉です。新鮮、つまり生きているヒヨコです。小学生の頃は冷凍でしたが、中学生からは自分でしめて、タカにあげています。

 残酷と感じたことはありません。私たちだって、毎日牛や豚、鳥の肉を食べています。その肉は生きていたものです。

 タカを健康に生かそうと思えば、命あるヒヨコをさばいて、食べさせるしかないのです。ただ、感謝の気持ちは忘れないようにしています。

 私は、動物の命の上に仕事をしています。さばくたびに「ありがとうございます」と心の中で伝えています。

 生き物にはすべて命がある。当たり前のことですが、命の存在、「生」と「死」は身近にないと分からないのかもしれません。

 学校に呼ばれた時はまず、タカを飛ばして子供に興味を持ってもらいます。でも、それだけで終わったら意味がない。私がこれまでタカから教わってきた命の大切さを伝えたい。

 なるべく生きたヒヨコをさばき、タカが食べる様子を見せています。「命をいただいて生きている」ということを、実感してもらいたいからです。

 「ヒヨコがかわいそう」という子供には、こう伝えます。

 「このヒヨコが、タカの命をつないでくれている。世の中の命は、つながっているんだよ」

 小学5年生から飼っている桃太郎には、ヒヨコを与え続けてます。他のタカと比べて、クチバシや足が黄色い気がするんです。ヒヨコのような色です。命はつながっているんだと感じます。

 多くの命がつながり、私たちは生きています。だからこそ、食べ物は大切だし、感謝しなければいけない。

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