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ふるさと納税 高額返礼品合戦 総務省通知に自治体苦悩 群馬

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ふるさと納税 高額返礼品合戦 総務省通知に自治体苦悩 群馬

 ■割合3割以下 「根本解決」に疑問符

 高額化する、ふるさと納税の返礼品をめぐり総務省が今月上旬、返礼割合を納税額の3割以下にするなど3点について要望する通知を出した。これに県内自治体は対応に頭を悩ませている。県内では20日現在、最高返礼割合が4割を超える自治体が23市町村。既に見直したか、今後見直す方針の自治体もあるが、通知に強制力がないため大多数が模様眺めや検討中が多い。

 通知は1日付で3度目。過熱する豪華さ競争に歯止めをかけるため、(1)返礼割合は3割以下に(2)換金性の高い商品券を控える(3)資産性の高い貴金属、楽器などは避ける-などを要請。(1)は特に強く求めている。

 ふるさと納税は本来、出身地など応援したい自治体に寄付する制度だが、多く集めるために趣旨から外れ返礼品の豪華さを競うようになった。実際、高額品を提供する自治体に寄付が集中する傾向が強まり、全国一の42億円を集めた宮崎県都城市では、高級牛肉や黒豚肉セットが人気だ。

 県内の返礼割合は10市町村が3割程度か、それ以下で、最高割合が4割台なのは7市町村。5割台が14市町村と最も多い。高いのは中之条町の6割、最も高いのは太田市の8割。大泉町だけ扱っていない=別表。

 通知を受け片品村がすでに5割から3割に修正したほか、昭和村は6月ごろをめどに改善するという。太田市や中之条町など21市町村は改善を含め検討中。通知には強制力がなく、「あくまでお願いという形なので今後、様子を見ながら検討していく」(上野村)という自治体も少なくない。

 返礼品競争は他の市町村が豪華な品を扱い始め、税収を下げまいと高額品を用意する-が繰り返され、過熱した。太田市も、その一つで、担当者は「『自己防衛』として(豪華な返礼品設定を)強いられた」とし、「通知で根本解決になるのか」と疑問を呈す。

 27年度の寄付額が253万8千円と少額だった吉岡町は危機感を抱き、今月になって従来の3割を4・5割に引き上げたばかり。そのため「今年度はこのままとし、それ以降は他市町村の様子を見る」という。

 一方、割合は3割程度に抑え返礼品を拡充することで好調なのは前橋市。ご当地アイドル「あかぎ団」の出張パフォーマンス利用権など約120種類も扱い、昨年度は前年度の約3倍の2億7838万円にのぼった。ただ総務省が指摘する「楽器」も扱っており、見直す方向で検討している。

 同市は3月中旬、ふるさと納税の使い道として児童養護施設などの退所者の自立を支援する「タイガーマスク運動支援事業」を導入し2週間で約225万円を集めた。山本龍市長は「ふるさと納税の本来の趣旨からすれば返礼品は必要なのかとも思う。返礼品合戦は問題だし、タイガーマスク事業など(政策の)本質でやるべきだ」と語った。

 大沢正明知事も「使い道に賛同してもらえる寄付の呼びかけを行うことが、本来の姿では」と指摘する。“三度目の正直”となる総務省通知が、その呼び水となるのかどうか。各自治体の知恵の絞りどころだ。