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柏崎刈羽耐震問題 「実行願う」新潟知事険しい表情 東電が報告書提出

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柏崎刈羽耐震問題 「実行願う」新潟知事険しい表情 東電が報告書提出

 東京電力柏崎刈羽原発の免震重要棟の耐震性不足をめぐる問題で、東京電力ホールディングスの広瀬直己社長が19日、県庁を訪れ、原因や改善策をまとめた報告書を提出し謝罪した。米山隆一知事は「書かれたことの実行を切に願う」と注文を付けた。広瀬社長は同原発が立地する柏崎市と刈羽村の両首長にも謝罪し、問題は一つの節目を迎えた。もっとも、東電はケーブルの不適切な敷設など信用を損なう事態を繰り返してきた。企業体質を本当に刷新できなければ、経営改善の柱とする同原発の再稼働はおぼつかない。

 東電は平成26年の時点で免震重要棟の耐震性不足を把握しながら、今年2月の原子力規制委員会の審査会合まで公表していなかった。これを受け、米山知事は耐震性不足が生じた原因や経緯、安全対策の報告を東電に求めていた。

 報告書では反省点の総括として、2月の審査会合で3号炉原子炉建屋内の緊急時対策所を併用すると説明しながら「経緯を県民に積極的に説明していなかった」と反省。今後は、県民や社会に「社会的影響のある事象を誠実、丁寧に説明する」と約束し、再発防止の徹底を誓った。

 会談で、広瀬社長は「第3者の目を入れ、ちゃんとできているかを検証してもらいたい」と協力を要請。米山知事は「事実に基づいた議論が必要」と情報開示の徹底を求めた上で「専門的ではない指摘にも応えることで安全性は上がる」と指摘し、自治体なども含めたダブルチェックの必要性を強調した。

 米山知事は東電との関係で「議論を閉ざすことはない」としてきたものの、この日の会談では険しい表情を終始、崩さなかった。

 広瀬社長は会談後、記者団に対し、耐震性不足の公表遅れについて「意図的に隠したり矮小(わいしょう)化したわけでないが、説明の仕方にまずい点があった」と釈明。米山知事は「東電は巨大組織で(意識が)内部に向いていたと読み取れる報告書だ。批判を回避しようとの空気が(社内に)あるが、こうしたことは最後にしてほしい」とクギを刺した。

 一方、刈羽村への訪問で広瀬社長は「地元優先でコミュニケーションをとる姿勢が根付いていない」と謝罪。品田宏夫村長は「今までにしっかりと説明を受けており、十分事実は把握している」と理解を示した。