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岩手3区・青森2区を分割 衆院区割り改定案 各党、候補調整に苦慮 東北

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岩手3区・青森2区を分割 衆院区割り改定案 各党、候補調整に苦慮 東北

 衆院選挙区画定審議会(区割り審)が19日、「一票の格差」を是正するための区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。東北では青森、岩手両県で定数を1減らし、宮城、福島両県でも選挙区の区割りを見直す。特に現行の岩手3区と青森2区は分割され、他の選挙区に編入される。政党や行政関係者からはさまざまな声が交錯している。

 「決まったら従わざるを得ない」。自民党青森県連の神山久志幹事長は今回の勧告を淡々と受け止めた。だが、現職1人が比例代表に回ることになり、今後は党本部との候補者調整が行われるとみられる。神山幹事長は「我々は常に常在戦場で動いている」と述べ、現4議席の確保に全力を挙げる考えを示した。

 現行の青森1区で現職を抱える民進党青森県連の田名部定男代表も「与えられた区割りで戦っていくしかない」と話す。一方で「地方の声が国政に届かなくなる可能性がある。何らかの是正措置が必要」とした。

 東北電力東通原発や電源開発大間原発など原子力関連施設が立地し、新1区に編入されるむつ市と下北郡。万が一、原子力災害が発生した場合、住民の避難道路としての役割を果たすのが整備中の下北半島縦貫道路(約68キロ)だ。

 早期完成を目指す女性団体「下北未来塾」の清川わか塾長(73)は「定数が減ることで地域の声が届かなくなるのではないかと心配している。新1区になっても国会議員には我々の願いを国に届けてほしい」と話した。

 同じく定数が1減となる岩手県。与野党とも「人口のみを基準とした区割り、定数の見直しは疲弊する地方の衰退を助長する」(自民党県連の嵯峨壱朗幹事長)、「きめ細かな地域の意見の吸い上げができるのか、県民は大きな不安を抱えている」(民進党県連の佐々木朋和幹事長代理)と今回の勧告には批判的だ。

 一方、与野党とも次期衆院選に向けた候補者調整に苦慮しそうだ。特に今後は、分割される岩手3区の現職である橋本英教氏(自民)、黄川田徹氏(民進)の処遇が焦点となる。

 自民党県連は「(県内の現職4人の)意向を聞いてから調整することになる」(嵯峨幹事長)とし、民進党県連は「黄川田氏が(小沢一郎氏がいる)新3区から出馬するのか、野党共闘で調整するのか、党本部の方針を受けて決める」(幹部)としている。