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「山でキャビア」生産軌道に 新見の業者、20年来の挑戦実る

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「山でキャビア」生産軌道に 新見の業者、20年来の挑戦実る

 山で採れた国産キャビアはいかが-。岡山県新見市で、チョウザメの卵を塩漬けにして作る世界三大珍味の一つ、キャビアを生産する事業が軌道に乗り始めた。20年来の挑戦が実を結び、清流を生かした特産品になりつつある。

 山間地の約6千平方メートルの広大な敷地に21の養殖池が並び、大小さまざまな黒いチョウザメが悠然と泳ぐ。新見市の水産加工業「MSファーム」は約6千匹を飼育。キャビアの年間生産量は約70キロで、2022年までに240キロに増産する計画だ。

 新見市とキャビアの関係は約20年前にさかのぼる。瀬戸内海に流れ出る高梁川の伏流水を利用したアユの養殖業が盛んだったが1990年代、安い中国産に押されて売れなくなり、新見漁協は新しい養殖魚を探していた。

 ある日、組合員の川内克己さん(66)が茨城県でチョウザメ養殖に成功した企業の話を新聞で読み、淡水で育てられると知った。「山からキャビアなんて面白い」と提案したが、周囲から「山でサメを育てるなんてばかげている」と言われた。

 一般的に稚魚からキャビアが採れるまでは7年かかる。川内さんは漁協を説得し、2000年に稚魚を仕入れて養殖を開始。企業や研究施設に出向いて育て方を一から学び、漁協は11年に瓶詰めのキャビアを発売した。施設費がかさむため、15年にMSファームに譲渡した。

 同社によると、ロシア産やイラン産の輸入物は塩分が10%ほどあるが、新見産は半分以下。低温殺菌をしない「フレッシュ・キャビア」で、濃厚な甘みとねっとりした食感が楽しめるという。

 14年からは市のふるさと納税の返礼品にも加わった。MSファーム経営企画室の太田薫さん(48)は「新見の特産品として多くの人に味わってもらいたい」と話す。

 瓶詰めのキャビアは塩分3・5%、5%、しょうゆ味の3種類あり、いずれも30グラム入りで1万800円。問い合わせは同社(電)0867・76・2000。