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【千葉知事選 私の注目点】(2)〈経済活性化〉

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【千葉知事選 私の注目点】
(2)〈経済活性化〉

 □ちばぎん総研社長・水野創さん(64)

 ■「大きな方向性示す指導力を」

 --県内経済の状況をどうみるか

 「トランプ米大統領の就任決定後の円安株高で、全国的に輸出関連企業は収益増加につながった。去年に比べれば良くなってきている。こうした影響が出るのは予想外だったが、これがないまま(昨年の)年末に突入していたら、今ごろ日本経済は相当暗くなっていただろう。県内も基本的には同じ傾向だが、地域や業種による差が生じている」

 --県内経済活性化に必要な県の施策は

 「中小企業や市町村が県に依存してしまい、『自分たちで生き残っていくんだ』という気持ちが弱まると逆効果だ。経営者や市町村側がイノベーション(新たな価値の創造、技術革新)を進めて生き残りを図り、それを県が支援することが重要だ。県は、企業や自治体の提案が単独では実現が難しそうであれば、広域連携の枠組みを示したり、必要なインフラを整えたりすれば良いのではないか。例えば、南房総市が空き公共施設を活用して企業を呼び込もうと取り組み、それを県が企業誘致セミナーを開催して支援している。こうした取り組みが増えることに期待したい」

 --地方創生をさらに進めるにはどうすべきか

 「市町村がまず頑張ることが重要で、県は支援が役割だ。地方創生は時間がかかるが、先ほどの南房総市の例など成功の可能性を感じる事業が出始めている。これまで圏央道の内側と外側では大きな経済格差が生じていたが、アベノミクス以降は外房や安房地域など圏央道の外側でもイノベーションの動きが出てきた。逆に内側で一等地とされてきた千葉や柏の中心部では百貨店の撤退なども起きている。これは本県に限った事例ではないが、地域に応じた変化が必要だ」

 --成田空港の機能強化をどう経済発展に結びつけるべきか

 「成田空港は“羽田空港の国際化”との関係で一時は『この先どうなるのか』という考えもよぎったが、格安航空会社(LCC)の拠点として集客力が増し、国内線の就航が充実して良い方向に進んでいる。ただ、国際的なシェアで見れば他のアジアの拠点空港と比べて成田空港のシェア自体が高まっているとはいえないので、ローカル空港に陥ってしまうリスクは残っている。そうならないために、早期に機能強化に取り組むことが重要だ。その結果次第で、周辺にどのような産業が集積できるのかに大きく影響するだろう」

 --県内経済の活性化を進めるうえで、県のリーダーに必要なことは

 「成田空港の機能強化や北千葉道路といったインフラ整備など、大きな方向性を示すリーダーシップが必要だ。方向性や情報を力強く発信し企業や市町村にやる気を起こさせることと、その方向性に従って新たな何かを始めようとする企業や市町村への支援の実施。この両輪が重要だろう。『誰かの責任でできない』という経営者や市町村の首長はリーダーとしての仕事を放棄しているに過ぎない」(大島悠亮)

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【プロフィル】みずの・はじめ

 東京大卒業後、昭和50年に日本銀行に入行。システム情報局長、業務局長を経て、平成18年に理事に就任。22年に退任後、同総研顧問を経て、現職。昭和27年生まれ、東京都出身。