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アフガン流出文化財保護の平山郁夫氏に国家綬章…北杜の美術館で伝達式

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アフガン流出文化財保護の平山郁夫氏に国家綬章…北杜の美術館で伝達式

 980年代に内戦が続いたアフガニスタンから流出した文化財の保護に尽くし、平成21年に死去した画家の平山郁夫氏に、同国から国家綬章が贈られた。昨年8月に実現した流出文化財の本国返還を受け、返還への道筋を作った功績がたたえられた。平山氏がシルクロード研究とコレクションの拠点とした北杜市長坂町小荒間の「平山郁夫シルクロード美術館」にも、改めて注目が集まっている。

 同美術館で11日、伝達式が行われた。駐日アフガニスタン大使館員から勲章を贈呈された夫人の平山美知子館長は、「平和になったアフガニスタンに仏様が帰ることができ、平山も喜んでいると思います」と笑顔であいさつした。

 この日は、冬季休館していた美術館のオープンと重なり、シンポジウム「アフガニスタン流出文化財の現状と未来-平山郁夫の遺志を継ぐ-」が行われた。

 前文化庁長官で4月に県立美術館(甲府市貢川)の館長に就任する青柳正規氏が基調講演した。青柳氏は「文化財は人類の多様な才能や各時代の可能性をたどるもの」と強調。戦乱による破壊や観光客急増で保存環境が悪化するなど、文化財を取り巻く状況の厳しさを指摘した。

 平山郁夫氏は、内戦のアフガニスタンの遺跡や博物館から海外に流出した古代の黄金製品などを「文化財難民」と位置づけ、「流出文化財保護日本委員会」を設立した。

 バーミヤン遺跡の石窟の壁画断片やアイ・ハヌム遺跡から出土した「ゼウス神像の左足」など日本で保護した102件のうち、一部が平山郁夫シルクロード美術館で保管されてきた。

 昨年、本国返還を前に九州国立博物館と東京国立博物館で開催された特別展「黄金のアフガニスタン-守り抜かれたシルクロードの秘宝」に、これらの文化財の一部が展示された。