産経ニュース

【千葉知事選 私の注目点】(1)バリアフリー

地方 地方

記事詳細

更新

【千葉知事選 私の注目点】
(1)バリアフリー

 ■「パラ競技普及のイベントを」

 □リオ・パラリンピック銀メダリスト・広瀬隆喜さん(32)

 いずれも無所属で、新人の元高校教諭、角谷信一氏(62)▽新人で元会社員、竹浪永和氏(42)▽現職の森田健作氏(67)▽新人で前浦安市長、松崎秀樹氏(67)-の4人が争う構図となった県知事選は、26日の投開票まであと1週間に迫った。さまざまな課題を抱える本県の知事には何が求められているのか。識者・有権者にそれぞれの分野について「注目点」を聞いた。

                     ◇

 --県内のバリアフリー対策の現状は

 「駅前を中心に進んできている。ただ、少し駅から離れると整備が追いついてないと感じることも多い。緩やかに見える坂道も、車いすでは上りづらいこともある。障害者全てが駅近くに住めるわけではないので、郊外にも多目的トイレや、使いやすいスロープの整備を進めてほしい。介助を必要とせず、障害者が安心して外出するきっかけになる。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、さらに進んでいくことを期待している」

 --心のバリアフリーは進んでいるか

 「車いすで生活しているので見た目は障害者だが、健常者とか障害者とか意識せずに生活をしている感覚が強い。物を落としてしまったとき、『拾いましょうか?』と声をかけてくれる方がいる。とてもうれしい。ただ、『自分でも拾えるな…』と思うときもある。手助けが必要な時は、自分から『助けて』と声を上げる。その時は『声』を拾って、手を貸してほしい」

 --東京五輪・パラリンピックの盛り上がりのために県が行うべきことは

 「ボッチャ関係者と『パラリンピックの競技会場を満員にしたい』という目標を持っている。会場に来て応援してもらえたら、日本の選手にとって大きな力になる。そのために大切なのは各競技の知名度を上げていくことだ。特にパラスポーツは『名前は知っているけど、ルールは分からない』という競技も多いはずなので、参加者が気軽に体験できるようなスポーツイベントを県内各地で開催できるよう推進してほしい。例えば五輪選手がパラの競技を体験したり、難しいかもしれないが、パラ選手が五輪の競技に挑戦したり、混合チームでの対抗戦も面白い。選手と交流しながら競技の用具を手にとってもらい、各競技の魅力に気づき自然と興味を持ってもらえる。市や県単位で継続して発信し続けることが重要だ」

 --本県に期待することは

 「東京都では若い世代へのスポーツ選手の出前教室事業が進んでいる。私は学生時代、ビームライフル(射撃競技)や陸上など色々なスポーツに出合い、その中にボッチャがあった。『あなたには、このスポーツがいいよ』ではなく、選択肢があるのが大切。千葉県でもそんな事業が盛んになるといい。大切なのは2020年で終わらせず、それ以降も継続できれば、五輪やパラリンピックを目指す子供たちがでてくるかもしれない。あらゆる人が参加する、パラスポーツの体験会が県内各地で開催されたらいいなと思う」

 --ボッチャの魅力は

 「ボッチャは重度の障害者の為に考案されたスポーツ。ボールも275グラム前後と軽い。直接ボールを投げられなくても、視線などで意思表示をして介助者や勾配具(ランプ)の力を借りて参加できる。子供からお年寄りまで、健常者・障害者の誰もが参加できるのが魅力だ。北京大会当時はほとんど知られていなかった。だが、周囲の支えで自分が強くなり、ボッチャを知ってもらったのは大きいと思う。ずっと応援していただいている職場の理解はとても大きく、感謝の気持ちでいっぱい。体はひとつしかないし、どこまでできるかわからないけれど、イベント活動などに参加し普及していきたい」(藤川佳代)

                     ◇

【プロフィル】ひろせ・たかゆき

 パラリンピック正式種目「ボッチャ」の選手(BC2クラス)。市原ボッチャクラブ所属。北京、ロンドン、リオに3大会連続出場。2016年リオ団体戦で、ボッチャ競技では日本初となる銀メダルを獲得。日本選手権個人戦では最多の優勝7回。袖ケ浦養護学校(現袖ケ浦特別支援学校)を卒業後、社会福祉法人「アルムの森」(富津市)事務局に所属。君津市在住。