産経ニュース

シベリア抑留体験者の「声」収録 舞鶴引揚記念館でDVD完成上映会

地方 地方

記事詳細

更新


シベリア抑留体験者の「声」収録 舞鶴引揚記念館でDVD完成上映会

 シベリア抑留体験者の声を次世代に引き継ごうと、NPO法人「舞鶴・引揚語りの会」(宮本光彦理事長)が抑留体験者の原田二郎さん(92)へのインタビューを収録したDVD「次世代へのメッセージ」を作成し、18日、舞鶴引揚記念館(舞鶴市平)で完成上映会を行った。原田さんは「昔を思いだした。(戦争や抑留は)あってはならない。本当に言葉にならない」と話していた。

 同会は同館で語り部活動を行っており、原田さんも会員として9年間、シベリアでの4年間の抑留体験を語ってきた。DVDは抑留体験者の“生の声”を記録して、平和や命の尊さを次世代に考えてもらうために制作した。

 上映会には、原田さんやインタビューの聞き手を務めた府立東舞鶴高校3年の緒形美咲さん(18)と草次花音(かのん)さん(18)、同会会員ら計18人が参加した。

 DVDは、緒形さんと草次さんが「(抑留された)ハバロフスクは寒かったですか」「主な食事は」など酷寒、飢えなどの実態を質問する形で進行。原田さんは「一番寒いときで零下30度」「黒パンと岩塩で色が付いただけのスープだった」などと当時を振り返って答え、証言に合わせて資料映像やイラストなども織り込まれている。

 今春から大学に進学する緒形さんと草次さん。「語り継いでいくことの大切さを感じた。大学でもできることがあれば、続けていきたい」(緒形さん)、「若い人にみてほしい。自分も(戦争や抑留を)伝えていく存在になりたい」(草次さん)などと話した。

 上映会に参加した同会の柴田洋子さん(63)は「映像や語りで、想像以上のことがわかった。原田さんの体験を伝えていきたい」と感想を述べた。

 DVDは高校以上の一般用(約40分)60枚と小中学校用(約25分)50枚の計110枚を制作。同会の研修や学校への出前講座などで使用する。また、同記念館に計18枚、舞鶴市内の全小中、高校に計30枚を寄贈するほか、原田さんが卒業した綾部市立志賀小学校(旧志賀尋常高等小学校)にちなんで綾部市内の全小中学校に計16枚を贈る。

 宮本理事長は「抑留体験者が高齢化するなか、若い人にぜひみてもらいたい」などと話していた。