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浦安市長選 高齢化・防災、舵取り問う 千葉

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浦安市長選 高齢化・防災、舵取り問う 千葉

 前浦安市長の松崎秀樹氏の退任に伴う同市長選は、19日に告示される。豊かな財政力を誇る同市だが、高齢化の進展による地域自治の衰退や、防災上の懸念が指摘される住宅密集地の問題など課題は多い。5期目の途中で辞職した松崎氏に替わり、18年ぶりの交代となる新たな市政の舵取り役を目指し、これらの課題をめぐり激しい選挙戦となりそうだ。

 ■「70代手前くらい」

 海沿いの閑静な住宅地に平成27年3月に閉校となった旧入船北小学校がそびえる。JR新浦安駅からほど近い一等地。針の取り外された大きな時計と誰もいない校庭が何とも物寂しい。一時は1200人を超えた児童数は、26年度には158人まで減った。市によると、同地区は昭和50年ごろに埋め立てが完了した。住人の年齢層は当時働き盛りだった団塊の世代が多く、高齢化が進んだ。

 同地区で地域の助け合い活動に従事する女性(47)は「浦安は若いまちと思われるが、一部の地域では一気に高齢化が進んでいる。県内でも家賃が高く、若い人には入居のハードルが高いのかもしれない」と危惧(きぐ)する。「市政には市民の力が不可欠。新しい市長は市民の活動を応援してくれる人がいい」と話した。

 「浦安はいろいろな施設が充実している。市政にあまり不満はないかな」と話すのは、同地区に約35年暮らす原田順吉さん(69)。とはいえ高齢化の進展は、近所と助け合う地域社会を維持しきれない不安が忍び寄る。原田さんは「昔はプレハブの仮校舎を使うほど児童が多かったが、今は住人の平均年齢は70代手前くらいになってしまった」と、胸の内は複雑のようだった。

 ■危険な住宅密集地

 漁師町だった面影を今も残す、風情ある「元町」にも課題はある。木造住宅が密集する地区は、昔から使われている幅が4メートル未満の狭い道路が多く、消防車や救急車が入れない。国が指定する「著しく危険な住宅密集地」だ。

 住居の新築時などに、道路の中心から建物の間に2メートル確保するよう建築基準法で定められており、市も新たに建て直す際には、道路用地として一定の金額でその分の土地を買い取るなどしている。それでも、狭い道路解消には至っていない。

 古くから元町地区に住む自営業、内藤素治さん(85)は、以前、隣家が火事になり怖い思いをしたという。「道を広げるにはどうやっても土地が足りない。家の建て直しを待って道を広くしたいのなら、何十年単位で考える必要があるだろう」とつぶやいた。

 代々、元町地区に住む自営業、大塚正昭さん(51)は「糸魚川(新潟県)の火災の例もあり怖い。でも道を広げれば誰かの家が狭くなる。みんな納得するような落とし所は難しい。市長には人の痛みが分かる人に就任してほしい」。

 昨年暮れ、東日本大震災による液状化被害の対策工事が始まったが、安心安全な街への転換という課題は、引き続き新しい市長にのしかかる。

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 ■あす告示、3氏準備着々

 前浦安市長の松崎秀樹氏の退任に伴う同市長選が19日、告示される。選挙戦にはいずれも無所属で新人の前市議の岡野純子氏(38)▽前市議の折本ひとみ氏(59)▽県議の内田悦嗣氏(52)=自民、公明推薦=の3人が立候補の準備を進めている。

 松崎氏から後継指名を受けた岡野氏は「ONE浦安」をキャッチフレーズに、都市間競争に打ち勝つ街づくりを目指す考え。

 折本氏は市独自の教育カリキュラムの創設などを通し、市民にとって浦安を特別なまちにする「浦安スペシャル」を掲げる。

 内田氏は「浦安ダイスキ」を合い言葉に、がん対策の推進、障害者の就労支援などを図り、松崎市政の見直しを行うとしている。

 3陣営はいずれも告示日に浦安市内で出陣式や第一声を行う。投開票は26日に行われる。また、市議補選(欠員2)も市長選と同日程で行われ、元職と新人ら5人が立候補する構えだ。8日現在の選挙人名簿登録者数は13万4851人。