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柔道家69歳、変わらぬ情熱 北桐館びわ道場師範・片桐清司さん 滋賀

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柔道家69歳、変わらぬ情熱 北桐館びわ道場師範・片桐清司さん 滋賀

 ■世界ベテランズで銅、子供らの指導も

 70歳を目前にして、柔道で世界一を目指す男性がいる。長浜市高月町の片桐清司さん(69)だ。昨秋に米国で開かれた世界ベテランズ国際柔道大会では、銅メダルを獲得。現在も地元で子供たちを指導し、未来の柔道家を育てながら、自身も毎日トレーニングを欠かさない。目指すは、70歳で迎える今秋の同大会での金メダル。情熱は衰えない。

 「相手の足を払うときはしっかり膝を伸ばして」。子供たちの練習に目を行き渡らせ、一人一人と組み合う。元気いっぱいの子供たちを相手に時折息を切らせながらも、笑顔をみせる。

 師範を務める柔道教室「北桐館びわ道場」。同市弓削町の市立びわ中学校武道場で週3回開き、幼稚園から高校生まで約20人の教え子と向き合う。休日には近隣の学校に出稽古に出かけたり、試合に付き添ったり。柔道一色の生活だ。

 柔道人生の始まりは、地元・長浜市の中学校での柔道部入部。初めて取り組んだ柔道だったが「1本を取る爽快さがたまらない」。すっかり魅力にとりつかれた。

 20歳のときに県警に入ると、腕を見込まれて5年間、特別訓練生に選ばれ、警察の全国大会にも出場した。世界警察消防競技大会でも、柔道と腕相撲の2部門を制覇。警察官の仕事の合間を縫って若手署員らと道場で練習し、子供たちにも柔道を教えてきた。

 55歳で退職後、世界マスターズ柔道大会(現・世界ベテランズ国際柔道大会)の55~59歳の部に出場し、初出場でいきなり金メダルを獲得した。

 その後も何回か出場。70歳を目前に臨んだ昨年の同大会(65~69歳の部)は、ほぼ8年ぶりの世界大会出場となったが、銅メダルを獲得。「柔道人生はまだまだこれから」と実感したという。

 柔道を始めて半世紀以上。長年携わる中で、柔道に取り組む子供たちが減りつつあるのを感じている。礼儀を重んじ、組み合う相手を思いやる心を育てる柔道。「柔道は教育的効果も大きい。柔道をやる子が増えてほしい」と話す。最新の技を会得するため、指導法のDVDを見て研究し、子供たちへのよりよい指導を模索する日々だ。

 教え子を五輪選手に-。そんな夢を抱きつつも、子供たちに一番願うのは「柔道を通じて培った体力、人間力で社会で活躍してもらうこと」。柔道面での活躍だけではなく、就職の報告など成長を聞くのがうれしい一時だ。「命ある限り続けたい」。まだまだ柔道と歩き続ける。(北野裕子)