放射性汚泥を県外処分へ 新潟市長「一刻も早く不安取り除く」

 新潟市の篠田昭市長は14日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で発生した放射性廃棄物のうち、放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下の廃棄物を県外に持ち出して処分する方針を明らかにした。8千ベクレル以下は国が通常の埋め立て処分を認めている。これまで同市は泉田裕彦前知事の方針を踏まえ、保管して管理してきた。日本水道協会県支部によると、新潟市以外の4市と2団体も搬出先を探しており、保管場所周辺の住民の不安解消が大きく前進しそうだ。

 放射性汚泥は新潟、新発田、阿賀野、燕、長岡の5市のほか、東港地域(新潟市北区)と三条地域(三条市)の水道用水供給企業団で一時的に保管している。1月末時点の保管量(推計)は計約2万6200トンで、うち約1020トンが8千ベクレルを超えている。

 新潟市は、千葉県の管理型処分場など県外の2カ所の施設に平成29年度中に搬出して処分する方針。

 日本水道協会県支部の事務局を務める同市水道局によると、8千ベクレル以下の汚泥は保管を続けないとの考えを7市・団体の間で今年に入って確認。それぞれが今後の処分方法を検討する運びになったという。

 新潟市は浄水場6カ所と取水場1カ所に収納庫を用意し、8千ベクレル以下の汚泥の保管量(推計)は計約1万4千トン。セメントの原材料として再利用しているものの、住民の不安を考慮して処分に踏み切る。

 篠田市長は「一刻も早く周辺住民の不安を取り除きたいと考えた」と強調。国が処分の責任を負う8千ベクレル超の汚泥598トンについては「国に道筋をつけてほしい」と強く求めた。

 収納庫の整備費などは東電からの賠償金を充てており、県外処分に必要な経費も東電に請求する。29年度の水道事業会計当初予算案には、処分費として約4億2千万円を計上した。

 泉田前知事は、福島事故を起こした東電が汚泥を引き取るべきとの姿勢を貫き、米山隆一知事も引き取り方法の具体化を東電に求めている。県企業局の工業用水で発生する汚泥は計約5万2千トンとなっている。

 福島事故の影響で飛散した放射性セシウムは阿賀野川上流側の山肌などに付着し、雨に流されて県内の浄水場に蓄積。放射性汚泥は浄水場で不純物を取り除く過程で発生している。

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