産経ニュース

男児ポルノ愛好家グループ事件 信頼感逆手に…卑劣な犯行 神奈川

地方 地方

記事詳細

更新


男児ポルノ愛好家グループ事件 信頼感逆手に…卑劣な犯行 神奈川

 ■捜査逃れ“鉄のおきて”

 添乗員、小学校教諭、大学生…。年齢も居住地域も違う男らの接点はただ一つ、男児への性的興味だった。男児にわいせつな行為をしたり、裸の画像を撮影するなどしたとして男6人が逮捕、起訴された事件。裁判などを通じて卑劣な犯行の一端が明らかになってきた一方、県警などの捜査で、ほかにも関与した者がいる疑いがあることも判明。闇はなお深まっている。(岩崎雅子、河野光汰)

 ◆甘言で誘い込む

 「お肉を買ったから、ステーキを食べよう」

 2月に横浜地裁(足立勉裁判長)で行われた公判。強制わいせつや児童買春・ポルノ禁止法違反などの罪に問われた元小学校教諭、橋本顕(あきら)被告(45)=東京都立川市=の手口について、検察側は、こんな甘い言葉で男児を誘っていたと主張した。

 検察側によると、橋本被告は昨年4月と5月に1回ずつ、静岡県伊東市内のスーパーで、顔見知りだった当時11歳の男児に声をかけた。いずれもその後に熱海市内にある元小学校教諭の田中耕一郎被告(66)=児童福祉法違反罪などで起訴、東京都国立市=が所有するマンションに連れて行き、裸にしてマッサージをしたり入浴させたりした。写真撮影なども行っていたという。

 橋本被告は、この男児に以前から「(マンションに来れば)卓球ができる」などと声をかけていたとみられる。逮捕段階では、「マンションではカレーなど、子供が好きそうなメニューを作った」などとも供述していた。

 捜査関係者は「2人とも元小学校の教諭で、子供の扱いには慣れていた。信頼感を逆手にとった犯行だ」と憤る。

 ◆3分の2に関与

 一連の事件で逮捕、起訴されたのは20~66歳の男6人。被害児童は168人に上り、押収されたわいせつ画像は10万点を超える。県警少年捜査課を中心に、千葉、埼玉、静岡など7県警が共同捜査本部を組んで捜査を進めてきた。

 同課によると、男らは男児性愛者が集うインターネット上の会員制サイトなどを通じて知り合ったとみられるが、もともとは、別々にグループを形成していた。

 橋本被告をリーダーとする「あきら会」、そして東大阪市の元添乗員、開発(かいほつ)哲也被告(35)=強制わいせつ罪などで起訴=の「チーム TANK(タンク)」だ。捜査関係者は、開発被告の悪質性に特に眉をひそめる。被害男児168人のうち、実に3分の2にあたる113人に関与したとみられるからだ。

 開発被告は平成24年8月ごろ、都内の旅行代理店で働き始めた。看護師の資格があり、看護添乗員として、主に小学生が対象の自然体験教室などに同行していた。

 入社した動機について「わいせつ目的だった」と供述。すでにサイトを通じて顔見知りだった横浜市立大学4年、鈴木航平被告(22)=同罪で起訴=らに「ボランティアスタッフになれば、男の子を好きに触れる」などと声をかけていた。

 ◆別のグループも?

 事件は昨年4月、かつて開発被告から被害を受けた男子中学生が県警に内容を伝えるまで、表面化しなかった。自然体験教室に参加した男児や保護者らからも相談などは一切なかった。なぜ長い期間、犯行は見過ごされたのか。

 同課は、男らが画像撮影に腕時計型のカメラなど気付かれにくい機器を使用していたことと、“鉄のおきて”の存在を挙げる。

 ネット上ではお互いを偽名で呼び合い、メンバーら以外に画像を渡さないことを徹底。交換する際は、直接会って手渡しする方式に限っていた。捜査関係者は「営利目的ではなく、完全に趣味の世界。こうなると発覚の糸口を見つけるのは難しい」と嘆息する。

 押収された画像には、被写体が特定できていないものも多く、被害児童の数はさらにふくれあがる可能性も残る。同課などは現在も捜査を継続しており、男らのグループと画像を交換していた別のグループもあるとみて、確認を進めている。

 男児らのトラウマを懸念する声も上がっており、捜査関係者は「欲望のままに子供を食い物にした卑劣な犯行。全容解明はまだ先で、今後も粘り強く事実関係を調べていく」と話した。