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【震災6年 被災地発】石巻の中学生、渡英しスピーチ 海を越えて 思い伝えあう

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【震災6年 被災地発】
石巻の中学生、渡英しスピーチ 海を越えて 思い伝えあう

 東日本大震災の津波で被災した石巻市の中学生2人が15日、自らの被災体験を伝えるため、英国を訪れる。訪問先のケンブリッジで、地元の市長や同世代の子供たちに対し、英語でプレゼンテーションやスピーチを行う。(岡田美月)

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 渡英するのは石巻市の市立石巻中3年、八重樫蓮君(15)と市立門脇中3年、村松鈴音(りんね)さん(15)。同市の子供らが作る季刊紙「石巻日日こども新聞」を運営する一般社団法人「キッズ・メディア・ステーション」の活動の一環で、2人は同新聞の記者として、取材や執筆を担当している。

 ケンブリッジの教育・文化交流施設「嘉悦ケンブリッジ教育文化センター」で開かれる日本文化を紹介するイベント「ジャパンデー」などを訪れる。

 八重樫君は震災当日、小学校の教室で激しい揺れに見舞われた。校舎の1階は津波で浸水。3階に避難し、迎えに来た母親や同級生らとともに2夜を過ごした。半年後に同市開成地区の仮設住宅に移り住み、バス通学の生活を続けた後、昨年10月に同市の復興公営住宅に転居した。

 震災直後に祖父が市内で営んでいた電器店に身を寄せていた頃、近所の人と乾電池とおにぎりとを「物々交換」するなど、必要なものを融通し合ったという。

 八重樫君は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は便利だけど、災害時は顔と名前を知っている人からの情報の方が確実だった。普段から近所の人と交流することは大切」と自らの経験をもとに強調する。

 一方、村松さんは市内の自宅で被災。2階建て家屋の1階が浸水し、在宅中だった母、妹との3人で孤立状態となったが、翌日の夕方に熊本から駆けつけた消防隊のヘリで救助された。震災を機に自宅に食料や水などを詰めた避難バッグを常備しているという村松さん。「震災のことを日頃から意識してほしい」と意気込みを語る。

 2人は23日に帰国し、渡英時の様子を石巻日日こども新聞の記事にまとめるとしている。