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古墳時代中期の鉄製よろい、福岡と長野で形一致

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古墳時代中期の鉄製よろい、福岡と長野で形一致

長野県飯田市の立石寺に伝わる短甲(左)と福岡県行橋市の馬場代2号墳で出土した短甲の背面(いずれも奈良県立橿原考古学研究所付属博物館提供) 長野県飯田市の立石寺に伝わる短甲(左)と福岡県行橋市の馬場代2号墳で出土した短甲の背面(いずれも奈良県立橿原考古学研究所付属博物館提供)

 ■奈良の研究チーム「畿内から配布か」

 福岡県と長野県にある古墳時代中期(5世紀後半)の鉄製よろいを3次元レーザー計測したところ、背面の鉄板の形が一致し、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館の研究チームが発表した。同じ「型紙」から部品を作っていたとみられるという。

 古墳時代の甲冑は高度な技術を持つ大和政権が作ったと推測されていたが、畿内を挟んだ東西地域で確認されたことから、同チームは「畿内から各地に配布していたと考えられる」としている。

 調べたのは、群馬、長野、九州地方で見つかった「横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)」34点。長方形の鉄板をびょうで固定したタイプで、背面にある「押付板」と呼ばれる部分を計測した。このうち立石寺(長野県飯田市)に伝わる1点と、馬場代(ばばだい)2号墳(福岡県行橋市)の出土品で形と大きさが一致した。

 調査した同博物館の吉村和昭学芸係長は「まだ謎の多い古代のよろいの生産拠点や体制を解明するのに重要な発見だ」と話している。これまでにも、宮崎県から出土したよろいの調査で、同じ型紙を使った3組のよろいが確認されていた。

 成果は同博物館で、3次元コンピューターグラフィックスなどで解説されている。4月16日まで。