産経ニュース

【震災6年】イノシシなど埋・焼却 群馬県は制限解除予定なし

地方 地方

記事詳細

更新

【震災6年】
イノシシなど埋・焼却 群馬県は制限解除予定なし

 東日本大震災から6年、福島第1原発事故による県内9市町村の除染は終了したが、野生鳥獣への影響は依然、大きく、全域で出荷制限が行われ解除の見込みが立っていない。増え続けるイノシシなどを駆除しても、すべて埋却、焼却処分されている。一方、栃木県那珂川町では検査した上で加工し食肉用に出荷されている。

 県内ではイノシシのほかツキノワグマ、ニホンジカやヤマドリが県全域で出荷が制限されている。これに対し、同町の「那珂川町イノシシ肉加工施設」では、同町と那須烏山市、茂木町など5市町を対象に、駆除したイノシシに限定し全頭検査、セシウム134と137の合計が1キログラム当たり100ベクレルに満たない場合、県内外に出荷している。

 平成27年度に持ち込まれたイノシシ231頭のうち38頭が不適合、28年度は222頭のうち22頭が不適合となり処分されたが、残りは食用となった。

 平成23年12月2日、国からイノシシの出荷制限指示があった際、同施設は全頭検査を条件に基準を下回った場合、出荷できるよう要請。3日後、制限が一部解除となり食肉加工が可能になったという。加工肉は県内外へ出荷、ジビエ料理やお土産などとして販売されている。

 県自然環境課では月1回ペースで野生鳥獣肉の放射性物質検査結果を公表しているが、検出数値が「全体として安定して基準値を下回ることが出荷制限解除の条件」とし、「現在も基準値を上回る数値が出ている以上、いつ制限解除になるかはわからない」。那珂川町のように個別検査をする予定はないという。

 イノシシによる農林業への被害防止のため県は29年度から年間1万3千頭の捕獲を予定しているが、捕獲後はすべて埋却・焼却処分となる。県議会では来年度予算で捕獲後の処理指針作成を行う案も出ているが、食肉として出回るには時間がかかりそうだ。