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オリーブオイルの質、鼻と舌で調べます 香川県が国内初「官能評価」導入

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オリーブオイルの質、鼻と舌で調べます 香川県が国内初「官能評価」導入

 国内最大のオリーブ産地で、独自のオリーブオイル品質表示制度を設けている香川県が、オイルの風味を人の鼻や舌で調べる「官能評価」のできる体制を、国内で初めて整えた。品質向上に生かし、近年増える他県産との違いをアピールしたい考え。

 香川県小豆島町の県農業試験場小豆オリーブ研究所。1席ずつ仕切られた仮設の簡易ブースでは、10人の男女が真剣な表情でオイルを嗅いだり、口に含んだりしながらチェックシートに評価を書き込んでいた。

 「香りのフルーティーさ、辛味や苦味の程度をチェックしています」と主席研究員の柴田英明さん。

 日本にはオリーブオイルの品質の高さを示す基準がないため、県は平成26年に品質表示制度を開始。

 製造工程や衛生面の規定をクリアした県の認定業者が、酸度などを測る化学検査に加え、官能評価を経て品質を示すマークを表示する仕組みとなっている。

 品質は最高級の「プレミアム」と、それに準じる「スタンダード」の2種類があり、「プレミアム」は、国際オリーブ理事会(IOC)の「エキストラバージン」よりも厳しい基準となっている。

 これまで官能評価ができる施設は国内になく、業者は海外の機関に検査を依頼していた。

 表示制度開始後、県は職員や地元住民らを評価員として育成し、昨年11月、ようやく検査体制を確立した。今夏には、常設の官能評価室が完成する予定となっている。

 オリーブの収穫量は近年、九州、中国地方で増加。健康志向による消費拡大で需要が見込めるため、耕作放棄地での栽培が増えたことなどが要因とされている。

 農林水産省の統計によると、香川のシェアは20年産の98・8%から25年産は96・6%とわずかに減った。

 県の担当者は「今後もシェアは下がるかもしれないが、県産品のブランド力を維持し、トップの地位を確固たるものにしたい」と話している。

 ◇オリーブオイルの表示 品質管理の国際機関、国際オリーブ理事会(IOC)は詳細な品質区分を定めており、最高級の「エキストラバージン」は優れた風味で酸度0.8%以下のものが該当する。日本はIOC非加盟で、国内の食品表示基準では「食用オリーブ油」の区分しかない。このためIOCの基準とは無関係に商品名として「エキストラバージン」などの表現が可能で、消費者が混同する恐れが指摘されている。