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アユの稚魚・ヒウオ不漁「最悪の状況」 少雨で産卵・生育遅れ? 滋賀

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アユの稚魚・ヒウオ不漁「最悪の状況」 少雨で産卵・生育遅れ? 滋賀

 琵琶湖でアユの稚魚ヒウオの不漁が続いている。県水産試験場の調査では、観測したアユの群れは例年の1割程度で、調査が始まって以来過去最少。昨年はアユの産卵シーズンの秋に雨が少なかったため、産卵の時期がずれこみ、その後の生育も遅れたことが原因とみられる。県は「これからアユが増える可能性があり、今後の推移を見守りたい」としているが、かつてない不漁に漁師からは不安の声が上がっている。

 「ヒウオのエリ漁を20年やっているが、こんな悪い年は見たことがない。最悪の状況だ」

 大津市の漁師、竹端五十夫(いそお)さん(62)はため息をつく。漁に出てもヒウオが獲れず船の燃料代などの採算がとれないため、なかなか船を出せない状態が続いているという。

 同試験場が北湖の水深30メートルの地点で行った魚群探知機による調査では、今年1月に観測したアユの魚群は37群で、平年値(380群)の10%以下。同様の調査を始めた平成15年以降で最少だ。

 一方で、昨年琵琶湖周辺の主要な河川でアユの産卵状況を調べたところ、推計産卵数は平年値(106億粒)の倍以上となる213・8億粒。このうち、約8割が9月末から10月初めにかけて確認された。

 これらの卵は10月初めから中旬ごろに孵化(ふか)したとみられ、例年よりやや遅め。昨年は9月中旬まで雨が少なく、アユの産卵に適した環境がなかなか整わなかったことが原因とみられる。

 県水産課によると、冬に近づくほど水温が下がりアユの餌(えさ)も少なくなるため、9月生まれのアユが2カ月で5センチに達するが、10月生まれのアユは3・5センチ程度と生育が遅くなる。

 同試験場が2月に再度魚群探知機で臨時調査を行ったところ、観測されたのは24群だが、基準に満たない小さな群れも複数見つかっており、アユの生育の遅れが不漁につながっているとみられる。

 同課の担当者は「今後アユの生育に伴い漁獲量が回復する可能性もあり、継続して動向を見守りたい」としている。一方、竹端さんは「先行きが見えず不安。個人では限界があるので漁獲量の回復に向けて、県は何らかの対策をとってほしい」と話している。