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東北全県、高齢者の事故2割超す 免許自主返納も最多

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東北全県、高齢者の事故2割超す 免許自主返納も最多

 高齢ドライバーによる交通事故が東北各地で相次いでいる。平成28年の全ての人身事故に占める高齢ドライバー(65歳以上)による人身事故の割合は東北6県すべてで2割を超え、特に秋田県など高齢化率の高い県でその割合が高かった。そうした中で、運転免許の自主返納数も各県で過去最多を更新し、事故抑止策の一つとして注目を集めている。

 ◆認知症対策を強化

 宮城県では昨年、高齢ドライバーの人身事故が1604件に上り、過去最高となった。交通事故の総数は4年連続減少したが、高齢ドライバーによる事故は初めて全体の2割に達した。19年は11・1%だったが、10年間で約2倍に膨らんだ計算だ。

 高齢者の人口比率が全国一の32・6%に上る秋田県では高齢ドライバーの事故件数は517件。全体(2177件)の23・7%を占めた。このうち75歳以上が216件と4割を占めた。県警は「他の年齢層と比較して交通事故を起こしやすい傾向がある」とする。

 岩手県では高齢ドライバーによる事故の割合は23・7%に上り、過去10年間で最高となったほか、青森県では高齢ドライバーが起こした死亡事故で16人が死亡(前年比9人増)した。

 高齢ドライバーによる事故の割合は全国的に増加傾向にあることから、今年3月には改正道交法が施行される。75歳以上の高齢ドライバーは免許更新時の検査で認知症の恐れがあると判定された場合、医師の診断が義務づけられ、認知症と認められると免許取り消しなど対策が強化される。

 ◆抑止策の一つに

 免許の自主返納制度への注目も高まっている。

 宮城県での高齢者の免許返納は昨年11月末時点で3147人となり、過去最多を更新した。秋田県でも昨年の高齢者の免許返納が2543人に上り、前年の1973人から約3割増となり過去最高を記録した。

 昨年の免許返納者は、福島県が3519人で23年の4倍以上に増えた。山形県も前年比27%増の2946件に上った。23年はわずか264人だった岩手県も27年に1896人まで急増している。

 背景には、免許を返納すると申請できる「運転経歴証明書」が平成24年4月の制度改正で身分証として使いやすくなったことなどがあるといい、各県警は「事故の事前防止の一つとして、返納制度があることを知ってもらえれば」などと呼びかけている。

 一方で、地域によっては自家用車が生活の足として根付いており、乗り合いタクシーやバスの運賃補助など免許返納者向けの支援策も自治体によってまちまちだ。宮城県の担当者は「地域の実情に応じて、支援策を進めていきたい」(総合交通対策課)としている。