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【はばたく酉年の戦略】西日本鉄道・倉富純男社長

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【はばたく酉年の戦略】
西日本鉄道・倉富純男社長

インタビューに応じる西日本鉄道の倉富純男社長 =福岡市中央区の西鉄本社 インタビューに応じる西日本鉄道の倉富純男社長 =福岡市中央区の西鉄本社

 ■海外市場“青い海”へ飛び込む

 現在の中期経営計画は、最終年度の平成30年度に連結営業利益210億円を、目標としています。この実現に向け、今年も着実に手を打ちます。

 まず、福岡市のまちづくりです。

 現在、高島宗一郎市長が引っ張っている天神地区の再開発事業などを、西鉄としてちゃんと支える。西鉄本社が入る福岡ビルディング(福ビル)は、今後の建て替えスケジュールが具体的に見えるようにします。

 福岡市では「連節バス」を含めたバス高速輸送システム(BRT)構築も目指します。連接バスは順次、15両まで導入する予定です。それに合わせて、住みよいまち、「適正」な公共交通機関を考え、つくっていく必要があるでしょう。

 そのほか、天神大牟田線の花畑駅(福岡県久留米市)周辺などで、まちづくりを地域と一緒に、たゆまずに進めます。

 駅近くにはシニア層向けのマンションを、さらにその周りには戸建て住宅を作ることでコンパクトにまとまった街をつくる。そうして、沿線の価値を高め、「地力」を付けるのです。

 まちづくりに加え、人づくりも重要です。「働き方改革」の一環として、運転手らの独身寮を整備し直します。

 ◆本格観光列車を

 鉄道は、通勤通学の利用客を増やすのが現実的に厳しい。そこで30年度中に、新型の観光列車を導入します。

 すでに外装を特別にデザインした「旅人(たびと)」と「水都(すいと)」を投入していますが、これは「化粧をした」という感じでした。

 今度はもっと本格的です。実質的に、西鉄初の観光列車となります。社長に就任したころから、ぜひやりたかった事業です。

 沿線の良さを生かした料理を提供し、沿線の人にも何度でもご利用いただけるような、日常に近い雰囲気の観光列車にしたいですね。この1年でソフト面をどうするか、固めます。

 観光列車は、観光バスとの連携もあるでしょう。

 海外からの観光客にもっと九州に、福岡に来てもらうきっかけになれるよう、より「おもてなし」のレベルを向上させ、バスの持つ可能性を探ります。

 インバウンド(訪日旅行)専用のツアーは堅調に伸びています。来たる東京五輪・パラリンピック(平成32年)はチャンスです。

 九州各地を観光バスで周遊するサービスのお手伝いをしながら、「日本には九州が、福岡があるね」と言われるのが、私たちのできることだと考えます。

 海外では、東南アジア方面を充実させます。ベトナム・ホーチミン市の3カ所で分譲マンションを建設しました。同国にはハノイなど、他の有力エリアもある。それらを「面」として事業に取り組みたいですね。

 海外で「街」そのものの開発プランを立てることもあるでしょう。インドネシアで広さ19ヘクタールの住宅開発に参画しますが、その先には公共交通の整備など、大きな可能性が広がっている。

 まさに私たちにとってはブルーオーシャン(青い海、未開拓市場を指す)に見えます。

 現地に社員を駐在させます。東南アジアに強く、詳しい人材を早く育てるためです。

 マンション開発などを含め東京や大阪は市場が成熟している。むしろ、海外の方が攻めやすいでしょう。 

(九州総局 村上智博)

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【プロフィル】くらとみ・すみお

 昭和28年8月、福岡県うきは市生まれ。53年、青山学院大卒業後、西鉄に入社。ビル事業部開発課長、商業レジャー事業部長、常務執行役員経営企画本部長などを経て、25年6月、社長に就任した。