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糸魚川大火 全焼の老舗酒蔵「加賀の井」、再建へ一歩 他社設備で生産へ

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糸魚川大火 全焼の老舗酒蔵「加賀の井」、再建へ一歩 他社設備で生産へ

 糸魚川市の大火で全焼した創業360年余りの老舗酒蔵、加賀の井酒造が富山県黒部市の銀盤酒造の設備を借り、予約を受け付けていた顧客向けの日本酒の生産に2月下旬から乗り出す。5月下旬の出荷を目指し、本格的な再建に向けて一歩を踏み出す。

 両社の社長を兼務する田中文悟氏に、加賀の井の18代目蔵元、小林大祐さん(34)が「次につながる足掛かりがほしい」と相談を持ちかけたところ、設備の貸与に快く応じてくれたという。

 加賀の井は本県産の酒米や焼けた酒蔵で使っていた酵母を持ち込み、一升瓶(1800ミリリットル)で1000本弱の酒を仕込む計画。従来の年間生産量と比べて約3%にとどまるものの、電話やメールなどで寄せられた数多くの応援メッセージに応えようと生産を決めた。

 銀盤酒造は地理的にも近く、今回の協力について同社の山岸逸人取締役(39)は「360年余りの歴史で立ち止まってほしくない。困難を成功に変えてほしい」とエールを送る。

 小林さんは「大切にしてもらった地域の皆さんに応えるためにも自社の敷地でもう一度、酒を造りたい」と話す。今秋から来春までの仕込み時期に、焼失前と同様の規模で生産を再開することが目標という。

 加賀の井は慶安3(1650)年創業で、県内最古の酒蔵として知られる。