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【寄稿】「全国高校駅伝を考える」 中嶋製作所・中嶋君忠社長

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【寄稿】
「全国高校駅伝を考える」 中嶋製作所・中嶋君忠社長

 ■留学生に頼らず勝負を

 昨年12月25日に京都の都大路を舞台に行われた全国高校駅伝大会で県勢は、男子の佐久長聖が2年ぶり4回目の準優勝に輝き、女子の長野東も過去最高の6位入賞を果たした。ながの中学駅伝大会の実行委員長を務める中嶋製作所(長野市)の中嶋君忠社長(76)が「全国高校駅伝を考える」と題して産経新聞に寄稿した。

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 手に汗を握りテレビにくぎ付けで声援を送った全国高校駅伝が終わった。私自身、男子の佐久長聖、女子の長野東のメンバーはともに、ながの中学駅伝大会で表彰状を手渡した選手たちばかりで、人一倍関心をもってレースを見守った。

 佐久長聖の選手は1人を除いて県内出身で、長野東も全員県内選手。前回大会は15位に終わった長野東は1区で区間賞を取るまでに成長した。両校選手たちの健闘に拍手を送りたい。

 全国の若者が母校の栄誉のために懸命にタスキをつなぐ姿は、見ている者を感動させてくれた。しかし彼らの純粋さゆえに何か不自然なものが見えてきた。他の競技も同じだが、「名門」と呼ばれる学校ほど勝つために実力、身体能力で日本人に大きく勝る留学生をメンバーに加えている。今回の大会でも、留学生の力であっという間にレースの形勢が逆転する局面が見受けられた。

 むろん留学生の力に頼らず、地元出身選手だけを鍛え抜いて、いいところまで行く学校もある。だが残念ながら駒が足りず、最後に逆転されて優勝を逃すことが多い。プロスポーツではないのだから、できるだけ公平な条件の下で競わせたいものである。今回優勝した男子の倉敷(岡山)は留学生の力を借りていた。

 競技メンバーに留学生を加えるためには、多くが授業料免除や特待生の扱いをしなければいけないだろうが、わけても解せないのは県民の税金で運営されている一部の県立高校が、留学生を戦力として常勝を狙うという姿勢だ。高校生のスポーツとしては、いかがなものかと思うのは私だけはないだろう。

 現在は男女ともに最長区間の1区だけを留学生の制限対象としているが、勝負の帰趨(きすう)が決する男子の6、7区、女子の4、5区も制限してしかるべきだ。お金がかけられる一部の有名校に留学生が集中して勝ち続けるというのでは、日本人のモラルが疑われる。全国高体連陸上競技専門部をはじめとする関係団体・機関において、今年末の大会に向けて一考していただければ幸いである。