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「正論」懇話会 小川栄太郎氏「天皇陛下の御譲位」「弱体化した皇室復権」 群馬 

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「正論」懇話会 小川栄太郎氏「天皇陛下の御譲位」「弱体化した皇室復権」 群馬 

 ■将来へ「国民が危機感を共有」

 前橋市日吉町の前橋商工会議所会館で1日に開かれた群馬「正論」懇話会(金子才十郎カネコ種苗会長)第43回講演会。天皇陛下の御譲位について文芸評論家の小川栄太郎氏は、陛下のお言葉を読み解いた上で、「特別立法で速やかに定めるべきだ」などと主張。さらに大きな問題として戦後、連合国軍総司令部(GHQ)によって弱体化された皇室の復権を主張した。産経新聞の「正論路線」と雑誌「正論」に共鳴する会員らが耳を傾けた。

 「従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました」

 天皇陛下が今夏に示されたお気持ちの中で、小川氏は「この部分こそ、本質」とし、「高齢を召された陛下がお疲れになったから譲位されたいというのではない。国、国民、自分の後の皇室にとって何がよいかということ。天皇のあり方や制度の問題に心情が及ばれていることを読み落としてはならない」とした。

 寿命が延びた現代社会で「いずれ天皇の即位年齢が70代になることもまれではなくなる」と指摘、「今の天皇制度は高齢化社会に対応できていない。歴代天皇と状況がまるで違う。陛下は譲位の制度化を考えておられる」と強調。「速やかに特別立法で譲位を定めるべきだ」とした上で、譲位に関する詳細な研究を安倍内閣に求めた。

 小川氏は、皇室をめぐって、譲位だけではない長期的課題として戦後、GHQによって弱体化された皇族の大規模な縮小や皇室財産の没収、天皇の地位の法的保障の剥奪などを挙げた。特に「15家70人が4家19人となった」皇族の減少を問題視。

 「皇位継承者も36人から8人となり今は4人」として、先細りする皇室の将来こそ「国民が危機感を共有しなければならない問題点だ」と指摘した。

 また、天皇陛下は自身の地位に関わる決定にも、政治的関与を否定する現憲法の規定から「意思表示すらできない」状態で、「事実上、三権の長の上にいるのに政治とのつながりがないのはありえない」と主張、皇室のあり方を根本的に変える必要性を訴えた。

 講演を聞いた下仁田町のコンニャク製造業、小金沢定夫さん(66)は「天皇陛下と皇后さまのお言葉の意味や皇室存続危機の重大性を知った。いい勉強になった」と話した。