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藩校精神を現代に生かそう 香川・丸亀で四国初のサミット

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藩校精神を現代に生かそう 香川・丸亀で四国初のサミット

 江戸時代から息づいている藩校の伝統や精神を現代に生かしていこうと、全国藩校サミットが四国では初めて、香川県丸亀市の市民会館を主会場に開かれた。旧讃岐丸亀藩と京極家の系譜をたどる講演があり、「地方創生を担う人材を確保するため、藩校精神を人づくり、まちづくりに生かす活動を積極的に支援する」などとする丸亀宣言を採択した。

 サミットは「繋(つな)げよう!藩校の人づくりを地方創生に」をテーマに開かれ、旧藩主の後裔(こうえい)19人や関係者ら約千人が参加した。

 記念講演では、直木賞作家の安部龍太郎さんと、京極家の先祖の地である滋賀県長浜市の長浜城歴史博物館の太田浩司館長が対談形式で講演した。

 江戸時代における藩校創立の原点について、安部さんは「江戸中期の重商主義の中、薄れていった武士の精神を取り戻すための『意識改革』だった」と説いた。

 太田さんは丸亀藩6代藩主・京極高朗について、うちわ産業を奨励し、庶民の子弟にも門戸を広げ、西讃の地誌を編纂(へんさん)するなどの業績と経営才覚を紹介。京極家歴代藩主の中で唯一、丸亀に墓を残した高朗について、「この郷土愛こそが地域を変える原動力であり、その精神の原点が藩校にあるのではないか」と述べた。

 それを受けた安部さんは現代に置き換え、「大事なものは金ではなく『教育と哲学』。受験によって有能な人材を都会に吸い上げるシステムをやめなければいけない」と話し、「故郷に残って先祖や地方のために働く。それこそが素晴らしい生き方だという哲学を確立する必要がある」と訴えた。

 サミットは平成14年、東京の湯島聖堂で初開催され、今年で14回目。次回は来年9月30日、10月1日の日程で、石川県金沢市で開かれる。