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鳥インフル 対応追われ戸惑いも 殺処分など防疫作業急ぐ 新潟

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鳥インフル 対応追われ戸惑いも 殺処分など防疫作業急ぐ 新潟

 関川村に続き、上越市の養鶏場でも高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した鶏が見つかり、県や同市、応援に駆け付けた自治体の職員と自衛隊員らは1日、殺処分などの防疫作業に追われた。県は2カ所とも4日までの作業完了を目指しているものの、資機材が不足するなど現場では担当者が戸惑う姿もみられた。

 採卵用の鶏を約23万羽飼育している上越市の養鶏場で11月29、30の両日、約100羽の鶏が死んでいるのが見つかり、高病原性鳥インフルエンザウイルスへの感染を確認。飼育されている全羽の殺処分が1日午前1時50分に始まった。

 防疫作業の拠点となった上越市柿崎区法音寺の柿崎総合体育館は、現場に向かう職員の健康チェックなどで慌ただしい雰囲気に包まれる中、白い防疫服に着替えた職員や自衛隊員らが続々とバスに乗り込み、現場に向かった。

 ただ、県広報広聴課の担当者は「全体的にバタバタしている感じ。作業の人員に対し、殺処分の資材が追いつかない」と、約140キロも離れた場所で立て続けに起こった緊急事態に、焦りの色を隠さなかった。

 殺処分に当たった上越市の職員(36)は「鶏舎内はとても暑く、防疫服を着込んでの作業は大変だった」と苦労ぶりをうかがわせた。ただ、殺処分の作業そのものは「特に抵抗もなく、流れ作業のようにスムーズにできた」と話した。

 県上越家畜保健衛生所の平山栄一防疫課長は「2カ所でほぼ同時に発生し、対応に遅れが出ている状況だ。態勢を見直して急ピッチで作業を進め、早期に封じ込めたい」と話した。

 同日の午前中には不足していた資機材も、他県などの協力もあって現場に届いたという。

 殺処分は、同日午後6時現在で関川村では約27万5300羽、上越市では約1万3100羽を終えた。政府などから派遣された27人の獣医が関川村と上越市に入り、殺処分の指導に当たっている。

 県庁で同日午後2時前に開かれた対策本部の会議で、米山知事は関係部局の幹部らに「最後まで気を抜かず封じ込めに持っていきたい」と改めて指示した。

 会議後、米山知事は「関川村は現在のペースでうまくいけば2日中にも終わることを視野に入れている。上越市は資機材の調達や人員の確保にめどがついたので、4日までには終わる予定だ」と記者団に語った。

 一方で「県内のどこかで発生する可能性は常にあり(2市村の事態が)沈静化しても気を緩めることなく、次も対応できる態勢を取り続ける」と話し、警戒を続ける考えを強調した。

 一方、関川村の養鶏場周辺の水質調査では、30日に採取した分も基準内に収まった。また、1日には長岡市の農場で19羽の鶏が死んだと県に連絡が入ったものの、簡易検査をした5羽全てが陰性だった。

 県は1日夜に、上越市内の3カ所で住民説明会を開くなど、住民らの不安払拭にも乗り出している。