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「佐原の大祭」無形文化遺産に 千葉県内初登録 地元・香取で喜びの声

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「佐原の大祭」無形文化遺産に 千葉県内初登録 地元・香取で喜びの声

 ■「光栄」「世界に誇れる宝物」

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録が決まった「山・鉾・屋台行事」に含まれる33件のうち、県内唯一となった「佐原の大祭」の地元、香取市では1日、祝賀会が開かれ、市民らが登録を祝った。「光栄なこと」「世界に誇れる宝物になった」。県内初のユネスコ無形文化遺産の誕生に、関係者からは喜びの声が次々と上がった。

 祝賀会は当初、日本時間の11月30日夜にエチオピア・アディスアベバで行われたユネスコ政府間委員会の審議後に開かれる予定だった。会場となった同市佐原イの与倉屋大土蔵には約200人が詰めかけ、パブリックビューイング(PV)形式で審議の様子を見守り登録決定の瞬間を待ったが、議事の進行が遅れたため深夜に一時解散となった。

 その後、1日未明に登録が決まったことを受けて、市は仕切り直しとなった祝賀会を同会場で開催。くす玉割りや万歳三唱、乾杯をして喜びを分かち合った。宇井成一市長は「皆さんが育ててきた各町内の山車は、胸を張って世界に誇れる宝物になった。これからもその宝物を磨き上げてほしい」と会場の市民らに呼びかけ、快挙を喜んだ。

 佐原の大祭は約300年の伝統を誇り、毎年7月の夏祭りと10月の秋祭りが行われる。小江戸と呼ばれる佐原地区の歴史的な町並みの中を、身の丈4、5メートルの大人形を飾り付けた山車が引き回される。各町内が保有する山車は、合計25台。

 同行事の保護団体「佐原山車行事伝承保存会」の山崎香芳会長(87)は「これだけの山車を持ち、年2回行う祭りは全国でもちょっとないだろう」と胸を張る。今回の登録には「苦労して技術を磨きながら、立派な祭りを続けてきた若い人たちを褒めてやりたい。佐原の大祭をより人気のある祭りにして、大勢の観光客を迎えることができれば、町の活性化につながる」と目を細めた。

 秋祭りを取り仕切る新宿地区の年番区長、金田俊一さん(63)は「町内の人にとって祭りは人生そのもの。先人が築いてきた伝統が世界に認められたのは光栄なこと」と喜んだ。夏祭りを主催する本宿地区年番区長の野口正次さん(68)も「神事としての祭りをしっかりと続けてきたことが登録につながった。次の世代につないでいくことが、これからの大事な仕事だ」と話した。