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“文化財の総合病院”公開へ 元文研が移転、新施設稼働 保存修復に理解深めて 奈良

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“文化財の総合病院”公開へ 元文研が移転、新施設稼働 保存修復に理解深めて 奈良

 全国から寄せられる文化財の保存修復に取り組んでいる元興寺文化財研究所(元文研、辻村泰善理事長)の奈良市南肘塚町への移転がほぼ完了し、新施設「総合文化財センター」として稼働し始めた。これまで県内2カ所に分散していた施設を統合。来年1月からは“文化財の総合病院”のようなセンター内を公開、作業の見学を通じて文化財の保存修復に対する理解を深めてもらうという。

 元文研は調査・研究のほか、埋蔵文化財や古文書、彩色資料、仏像などの保存処理・修復作業を実施。修復などは年間約200件にのぼるといい、全国の文化財の継承に大きな役割を果たしている。

 だがこれまで、施設は奈良市中院町の元興寺境内と生駒市元町に分かれており、手狭だった。このため、平成25年度から統合移転を進めてきた。

 総合文化財センターには金属器保存処理、土器修復、伝世品修復、人文考古整理などの各作業を行う部屋があり、日々、全国から集まった文化財の修復作業が慎重に行われている。公開では、職員の案内でこうした部屋をガラス越しに見学できるという。

 元文研の狭川真一副所長は「自分たちの仕事やその成果を公開しながら理解してもらえるよう努力したい。特に若い人らにこんな仕事があることを知っていただければ」と話し、各分野の担当者が研究成果を報告する講座を開くことも計画しているという。

 センター内の公開は、団体(10人以上)は1月16日から平日の午後1時~3時に実施。個人は毎月、日を定め、1月は20日午後1時からの予定。資料代として300円が必要。申し込みは元興寺文化財研究所(電)0742・23・1376。