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風流物、無形文化遺産に登録 日立で歓喜再び「伝統守る励みに」 茨城

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風流物、無形文化遺産に登録 日立で歓喜再び「伝統守る励みに」 茨城

 ■人形作り手不足の課題も

 日立市の「日立風流物(ふりゅうもの)」が、18府県33件の「山・鉾・屋台行事」の一つとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まった。日立風流物は平成21年に同遺産に単独で登録されており、関係者からは、再び喜びの声が上がった。(丸山将)

 日立市の小川春樹市長は1日、「大変喜ばしい。日立市の宝、人類の宝である日立風流物を後世に伝えるため、無形民俗文化財の後継者育成事業に引き続き取り組んでいく」との談話を発表した。

 また、日立郷土芸能保存会の水庭久勝会長(78)は「登録が決まりうれしい。再び注目され、300年以上続くこの伝統を守る上で大きな励みになる」と語った。

 日立風流物では、からくり人形が使われる。かつては行事ごとに新しい人形を用意したが、近年は作り手が不足し、毎回、新しい人形を準備するのが難しくなっている。それだけに、水庭会長は「若い人が興味を持つきっかけになってほしい」とも話した。

 同保存会と協力して、人形作りなどの技術の伝承に取り組んでいる同市郷土博物館の文化財保護担当、片山俊文主幹(36)は「日立風流物の保存伝承に一層努めたい」と力を込めた。

 国の重要無形民俗文化財でもある日立風流物は、神峰(かみね)神社(日立市宮田町)の祭礼で奉納されてきた山車を使った行事で、起源は江戸時代中期に遡(さかのぼ)る。同保存会が、同神社で7年に1度行われる大祭礼や、毎年4月の「日立さくらまつり」で公開している。

 山車の大きさは高さ15メートル、幅8メートル、重さは5トン。5層の舞台が設けられ、からくり人形による「太閤記」などの芝居が上演される。その迫力から日立さくらまつりは毎回、にぎわいを見せる。人手不足という課題に直面する中、改めて伝承の重みをかみしめたい。