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紆余曲折も「苦労報われた」 烏山山あげ保存会・島崎利雄会長 栃木

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紆余曲折も「苦労報われた」 烏山山あげ保存会・島崎利雄会長 栃木

 「待ちに待った。本当に長かった」。烏山山あげ保存会の島崎利雄会長は無形文化遺産登録に向けて取り組んできた道のりを振り返った。

 国重要無形民俗文化財に指定されている行事の保存会などで組織する全国山・鉾・屋台保存連合会などによると、国は当初、指定順に1年2団体ずつ登録に向けて提案することを決め、まず「京都祇園祭の山鉾行事」と「日立風流物(ふりゅうもの)」(茨城)が無形文化遺産に登録された。続いて「秩父祭の屋台行事と神楽」(埼玉)と「高山祭の屋台行事」(岐阜)、そして昭和54年指定の「烏山の山あげ行事」は第3陣の予定だった。しかし、第2陣の秩父祭と高山祭は先行2件との類似を理由に保留。そこで平成26年に特徴の似た国指定重要民俗文化財を「山・鉾・屋台行事」としてグループ化。一括提案に切り替えたが、提案件数がユネスコの審査件数を上回ったなどの理由で1年先送りになり、昨年、再提案された。

 「保留や先送りになったときは『またか』と、がっかりしたこともあったが、今回は苦労が報われた」

 今後の課題は、輪番で行事を仕切る那須烏山市中心部6町の担い手不足への対応だ。特に若衆の減少が目立つ。「行事には100人以上の若衆が必要だが、少子高齢化などで人手の確保が難しくなっている」と島崎会長。保存会は6町以外の自治会や企業、団体などに呼びかけ、人手確保を支援している。

 また、登録を受けて見物客増加が見込まれる中、受け入れ態勢も課題の一つ。今年は登録に向けたPRなどで見物客が約20%増えたが、「駐車場がない」「食事で2時間待たされた」などの声が寄せられた。

 島崎会長は「今まで地元が中心で、食事の問題は考えなかった。今後は行事の継承と共に、おもてなしを含め受け入れ態勢の充実、強化が必要だ」と強調した。 (伊沢利幸)