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「発展、継承へ大きな責務」 烏山の山あげ・鹿沼の屋台 無形文化遺産登録決定 栃木

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「発展、継承へ大きな責務」 烏山の山あげ・鹿沼の屋台 無形文化遺産登録決定 栃木

 エチオピアで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会で、18府県33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」の無形文化遺産登録が決まったことを受け、「烏山の山あげ行事」「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」の保存に尽力してきた関係者が喜びの声を上げた。那須烏山、鹿沼の両市では1日、祝賀行事が開かれ、くす玉割りや万歳三唱で沸き返った。

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 那須烏山、鹿沼両市は前日の11月30日夜も会場を設営して祝賀行事を用意したが、「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産登録が決定した1日未明(日本時間)前にはいったん解散。同日午後に“仕切り直し”し、大勢の市民が登録決定を祝った。

 毎年7月に「山あげ祭」として行われる那須烏山市の「烏山の山あげ行事」は「山」と呼ばれる和紙で制作した巨大な舞台背景を使って上演する野外歌舞伎。豪華絢爛(けんらん)な山を一斉に変化させる仕掛けが見事だ。鹿沼秋祭りで繰り広げられる鹿沼市の「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」は緻密な彫刻を全面に施した屋台で知られ、屋台数台が交差点でお囃子(はやし)を演奏し合う「ぶっつけ」も盛り上がる。

 那須烏山市では、山あげ会館前(同市金井)に約150人が集まった。垂れ幕が掲げられ、大谷範雄市長や烏山山あげ保存会の島崎利雄会長らがくす玉を割り、鏡開き、万歳三唱などで登録決定を喜んだ。大谷市長は「保存会や市民ら多くのみなさまの支援と協力で、素晴らしい吉報を受けることができた。山あげ行事は世界に誇れる文化遺産。国内外に広めながら一人でも多くの観光客を誘致したい。また、後世に伝えるために市としても支援し、さらなる隆盛に期待したい。今の心境は感謝、感激だ」と話した。

 鹿沼市では約150人が屋台のまち中央公園彫刻屋台展示館(同市銀座)に集まり、保存会らによる「木遣り」も披露された。

 佐藤信市長は「2016年12月1日が鹿沼市にとって忘れられない日になった。世界に認められ、多くのみなさんの誇りとして、これからも発展、継承しなければならない大きな責務を負った」と述べた。

 鹿沼いまみや付け祭り保存会の佐川徹三副会長は「無形文化遺産登録は数年前は想像もしていなかった。先達の揺るぎない情熱と市民の努力のたまもの。今後も27台の屋台を守り、人材を育てていきたい」と決意を新たにした。23日には登録を記念し、同市民情報センター駐車場(同市文化橋町)などで祝典が開催される予定だ。

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 福田富一知事の話「地域活性化、伝統文化全体の発展など様々な波及効果も期待できる。今後も2市と協力しながら貴重な無形文化遺産の保存、活用を図り、後世に確実に継承していくとともに積極的なPRに努める」