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シカ事故防止にカメラの目 国道沿い自販機に 映像で原因究明 奈良

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シカ事故防止にカメラの目 国道沿い自販機に 映像で原因究明 奈良

 奈良公園(奈良市)一帯に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」を守ろうと、近鉄奈良駅近くにカメラが付いた自動販売機が設置され、30日から稼働を始めた。その名も「鹿ちゃんカメラ」。シカと車の交通事故などがあった際には、カメラが記録した映像データが保護団体「奈良の鹿愛護会」に提供される仕組みで、事故状況の分析に役立てるという。

 自販機は交通量の多い国道369号(大宮通り)沿いにあり、鹿ちゃんカメラは自販機の上部、高さ約2メートルの位置に設置されている。前方180度撮影可能で、夜間でも赤外線照射により20~30メートル先まで撮影できるという。撮影した映像は自動販売機管理会社「奈良ベンダー」(橿原市)が管理。交通事故などシカが関係するトラブルが発生すれば、愛護会に映像が提供され、原因究明に活用する。

 発案したのは、愛護会の大川靖則会長。同会によると、今年7月までの1年間で、シカが被害に遭った交通事故は131件あり、81頭が死亡した。鹿ちゃんカメラが設置されたのは、県内で2番目に事故が多かった場所で、20件発生し、10頭が命を落としたという。

 カメラ付き自販機の設置は、この場所を管理する不動産会社「大東興産」(奈良市)の協力で実現した。自販機の売り上げの一部は、大東興産と奈良ベンダーから、愛護会に寄付される。同会の担当者は「協力してもらえる人がいれば、カメラの設置場所を増やしたい。シカを守る一助になれば」と話している。