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さよなら但馬遊覧船かすみ丸 67年の歴史に幕

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さよなら但馬遊覧船かすみ丸 67年の歴史に幕

香住海上保安署からの感謝状を受け取る山口都子さん=香美町香住区 香住海上保安署からの感謝状を受け取る山口都子さん=香美町香住区

 「さよなら、かすみ丸」-。“三姉妹船長”の愛称で親しまれた香美町香住区の「遊覧船かすみ丸」が30日、67年の歴史に幕を閉じた。但馬海岸をめぐる遊覧船の先駆者で、但馬の観光を戦後から盛り上げた大きな功労者に、地元住民や観光関係者らが感謝の気持ちを伝え、名残惜しんだ。

 この日午後2時半すぎ、たつの市方面からのバスツアーの乗客ら約80人が分乗した「第18かすみ丸」(19トン)と「かもめ」(同)が白石島周辺の最後の遊覧を終え、香住漁港に帰港。岸壁には、地元住民や観光関係者ら約50人が大きな拍手と「67年間、感動をありがとう 私たちは遊覧船かすみ丸を忘れません」の横断幕で遊覧船を出迎えた。

 乗客全員が下船後、香住観光協会による「さよならセレモニー」があり、香住海上保安署(香住区)が、「かすみ丸」の山口都子社長(66)に「但馬海岸の大自然を広く国民に紹介した」などとして感謝状を贈った。

 三姉妹の長女の山口社長と次女の川崎勝子さん(63)、三女の赤松雅子さん(61)には花束が渡され、3人は「67年間、地元の人たちや観光関係者にお世話になり、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。

 「かすみ丸」はピーク時、年間3万2千人の乗船客があったが、最近は2万人を割る状況で、今年2月に11月末での営業終了を発表していた。

 所有する遊覧船3隻の売却先や従業員6人の再就職先は未定。山口社長は「遊覧船や事務所はそのまま置いておき、新たな事業者を待ちたい」と話した。

 遊覧船かすみ丸 旧香住町でイカ釣り漁をしていた故山口武雄氏が昭和23年頃、「但馬海岸の魅力を伝えたい」と遊覧船事業を始め、長女ら三姉妹が船舶免許を取得し、事業を受け継いだ。40年代からは「三姉妹船長の遊覧船」として人気を呼び、3隻の遊覧船で営業していた。