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「有明海基金」に100億円 諫早湾問題和解協議で国が最終案

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「有明海基金」に100億円 諫早湾問題和解協議で国が最終案

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡り、農林水産省は30日、潮受け堤防排水門を開門しない代わりに創設する有明海の漁業振興基金について、総額を100億円とする案を長崎地裁に提出した。干拓地の住民や営農者が国に開門しないよう求めた訴訟の和解協議を前進させる狙い。訴訟に利害関係者として参加する漁業者側はあくまで開門を求めており、和解が成立するかは見通せない。

 同省は和解が成立しなければ基金の実現は難しいとしている。

 「有明海振興基金(仮称)」として有明海沿岸の福岡、長崎、佐賀、熊本4県と各漁業団体が一般社団法人を設立し、10年程度をめどに基金の管理運営に当たる。二枚貝のタイラギやクルマエビなど魚介類の放流、新しい技術を用いた養殖施設や漁場環境の整備などに活用できる。

 農水省の担当者は「政府として最大限示せる額だ。和解成立への道は非常に細いが、関係者の理解を得る努力を続けたい」とした。

 開門を求める漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は同日、福岡市で記者会見し「金を1回出せば国の義務が果たされたとする話で、極めて不当だ」と受け入れに否定的な考えを示した。

 長崎地裁は1月、開門しない代わりに国が漁場環境を改善し、漁業者側に解決金を支払うとの内容で和解を勧告した。