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日本語学校不法就労助長 佐野に新校舎設立構想 高額寮費、賃金一部を流用か 群馬

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日本語学校不法就労助長 佐野に新校舎設立構想 高額寮費、賃金一部を流用か 群馬

 ■容疑の理事長を再逮捕

 日本語学校「東日本国際アカデミー」(栃木県足利市)をめぐる不法就労助長事件で、同校理事長の前原卓哉容疑者(47)=館林市本町=が来春、同県佐野市内に新しい日本語学校を開校する予定だったことが28日、捜査関係者への取材で分かった。学校側は留学生から不当に高額な寮費を徴収していたが、就労先からの賃金の3割以上が前原容疑者の経営する人材派遣会社に支払われていたことも判明、こうした資金が新校舎設立に流用された疑いもあるとみて調べを進める。

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 県警・栃木県警合同捜査本部は同日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで前原容疑者を再逮捕した。容疑は昨年9月6日から11月28日にかけ、当時同校に通っていたベトナム人留学生(22)を邑楽町の倉庫に派遣し不法就労させたとしている。時給900円で週30時間から48時間働いていたという。同法は留学生が週28時間以上の就労を禁じている。

 さらに、就労先から支払われた時給1350円のうち3割以上にあたる同450円が、人材派遣会社「東毛テクノサービス」(館林市)に支払われていたことも分かった。同社は前原容疑者が実質的に1人で切り盛りしており、同容疑者は理事長に就任した平成25年4月から同社を介し留学生を就労させていたという。

 前原容疑者が佐野市内に新校舎の設立を計画していることは、学校関係者も認めている。足利市にある現校舎への設備投資資金回収のめどがたったことから、来年4月に開校する予定だったという。

 同校は足利市の学校周辺に複数のアパートを寮として借り上げ、相場4万円の部屋に留学生3人~6人を住まわせた上、各自から一律の家賃(2万2千円~3万円)を徴収していた。

 前原容疑者は留学生の不法就労を隠蔽(いんぺい)するため時給単価を上げるなどの操作で就労時間を28時間以内に抑える裏帳簿作成を学校職員に指示、今年1月からは不法就労の発覚を恐れ、複数の派遣会社を介し留学生を派遣していた。前原容疑者は損害保険会社、日本語学校運営会社も経営し、社会保険労務士資格を持ち事業を統括する事務所を運営していたことも分かった。

 合同捜査本部は今後、経営する各会社と事件との関連や、前原容疑者が留学生を恒常的に就労斡旋(あっせん)し利益をあげると同時に、高額な賃料を受け取り流用していた疑いもあるとみて、実態解明を進めていく。

 調べに対し前原容疑者は容疑を認め「会社の利益のため、留学生にアパート代と生活費を稼がせるためにやった」と供述している。