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きれいな姿で帰米します 日本人形「富士山三保子」の着物を新調、本体も修復 静岡 

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きれいな姿で帰米します 日本人形「富士山三保子」の着物を新調、本体も修復 静岡 

 ■富士山、三保松原、桜、「茶の紋」…模様一新

 日米友好の証しとして昭和初期に本県から米国に贈られ、今年2月に89年ぶりに帰郷した日本人形「富士山三保子(ふじやまみほこ)」が、来月の「お別れ展示会」で、新調した赤い着物をまとい、きれいに修復された姿を初めて披露することになった。数奇な運命をたどった人形は、有志の寄付であつらえた新しい着物とともに年内に再び米国へ旅立ち、かの地で余生を送ることになる。

 ◆89年前の姿に

 富士山三保子は、米国から日本に贈られた「青い目の人形」の返礼として、1927(昭和2)年に海を渡った。長くミズーリ州のカンザスシティー博物館に保管されていたが、当初着ていた赤い着物はいつの間にか失われ、別の人形が着ていた緑色の着物に着せ替えられていたという。

 今年、89年ぶりに里帰りが実現したのを機に、旗振り役の「富士山三保子の里帰りを実現させる会」が、渡米当時を思い起こさせるような赤い着物の新調を企画した。

 地色は当時の着物に似せたものの、模様は一新。前身頃には名前の由来となった富士山と三保松原を描き、日本を象徴する桜の花をちりばめ、静岡茶にちなんだ「茶の実」の紋をあしらった。帯は静岡名産のミカンを連想させるタチバナの文様で、細部まで採寸して新調したので、サイズもぴったりだ。

 さらに、傷んでいた人形本体の修復も実施。顔のひび割れ、右頭部の亀裂、右腕の剥離などを、卓越した技能を持つ人形師の手で当時の制作方法に忠実に修復し、往年の気品ある立ち姿を取り戻した。

 ◆「お別れ展示会」

 これまでの展示では緑色の着物を着ていたが、12月3日から県立美術館で開かれる「お別れ展示会」で初めて、新しい赤の着物姿が披露される。里帰りを実現させる会では、「帰国する前に、化粧直しを終えて皆様の厚意で作成した着物を着用した姿をお披露目します。心温まる寄付をありがとうございました」と話している。

 「富士山三保子 帰国前の着付けお披露目展」は12月3~11日の午前10時~午後5時半、静岡市駿河区の県立美術館エントランスホールで開催される。入場無料、月曜休館。問い合わせは里帰りを実現させる会事務局(電)054・221・2309。