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大阪・旧精華小跡地、塀が火種に 事業者と地元の調整難航

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大阪・旧精華小跡地、塀が火種に 事業者と地元の調整難航

 大阪・難波の中心地にあり、大阪市が平成25年に売却した旧市立精華小学校(中央区)の跡地に複合ビルを建設する計画が事実上中断していることが19日、わかった。跡地の塀の撤去を主張する事業者と、安全面の観点から、残すよう求める地元住民の対立が原因で、着工のめどは立っておらず、調整は難航している。

 喜劇役者の故・藤山寛美さんが卒業したことでも知られる精華小は明治6(1873)年、地元有志の出資により開校。少子化や老朽化の影響で平成7年に閉校したが、小劇場や学習施設として活用されていた。

 一方で、財政難の市は、用地を25年2月に約35億9千万円で同市内の不動産会社に売却。同社はホテルや飲食店が入る複合ビルを建てる計画で、校舎を解体、今年9月には、不動産会社とゼネコンの担当者による住民説明会を開き、12月上旬の着工、30年12月上旬の完成と説明した。

 ここで浮上したのが、同小跡地の西端に、約150メートルにわたり残っている高さ数メートルの塀だ。すぐ西側に戎橋筋商店街の建物が十数軒建っているが、塀と店舗どちらが先に建てられたのかは記録が残っていないため不明で、一部の店舗は建物と塀が一体化しているという。

 関係者によると、塀の所有権は不動産会社にあり、9月の時点では「塀は残す」と説明していたが、ゼネコンが10月になって「塀を撤去したうえでないとビル建設工事は請け負えない」などとして、不動産会社に塀を撤去するよう要請した。これに対し地元は「建物の壁も一緒に剥がれる」「建物が傾く」として難色を示している。

 市が不動産会社と結んだ土地売買契約では、30年2月までに着工しなかった場合は、市が25億円で買い戻すことができることになっているが、塀と接する店舗の所有者全員との間で、塀の撤去と撤去後の補償に関する合意を得るには相当の時間を要するとみられ、着工のめどは立っていない。不動産会社の代理人は取材に「調整中であり、コメントできる時期ではない」と話した。市教委の担当者は「地域の理解を得ながら事業計画を進めてほしい」としている。