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「ドラマの舞台」横浜は魅力的 今秋は3本、業界高評価 多様な街並み、都心に近く

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「ドラマの舞台」横浜は魅力的 今秋は3本、業界高評価 多様な街並み、都心に近く

 テレビドラマや映画のロケ撮影に際し、行政と企業、関係者との仲立ちを行うことで撮影を誘致する横浜市文化観光局の「横浜フィルムコミッション(FC)」事業が順調だ。今秋は「逃げるは恥だが役に立つ」「ラストコップ」「レンタル救世主」と、横浜FC設立以来最多となる一期3本のドラマが放映を開始。業界関係者からは「街並みの多様さなど、横浜は魅力的」との声があがる。

 ◆高い集客効果

 「放送翌日から、ドラマを見たというお客さんがいらっしゃった。集客効果は想像以上ですよ」

 こう話すのは、平成26年秋に放映されたドラマ「きょうは会社休みます。」の撮影が行われた横浜市南区のラーメン屋「麺工房あかつき」の店主、広瀬繁さん(70)。

 主演の綾瀬はるかさんと福士蒼汰さんが座った席で「同じメニューが食べたい」と訪れるファンは、北海道から沖縄、台湾や韓国にまで及んだという。「女子高生がインターネットで調べてきてくれたり。また機会があれば、ぜひ協力したい」と広瀬さん。横浜FCは12年、「市に撮影許可の手続きを取りまとめてもらえないか」という映像業界の要望などを受け、大阪や神戸、北九州に次ぐ全国4番目のFCとして設立された。撮影に協力する民間業者との仲介や、道路や火薬を使用する際の警察・消防との調整を行っており、26年度は約80本、27年度は約50本の映画やドラマ、CMに協力した。

 「街の魅力を、映像を通じて伝えることで誘客促進や地元愛の醸成を行いたい」と、ドラマとタイアップした市内のデートスポットマップを作成するなど、映像を通じた市のPRを模索している。

 海野つなみさんの人気漫画を原作に、“従業員”と“雇用主”として契約結婚した男女の関係を描いた社会派恋愛ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(主演・新垣結衣さん)は、ドラマ化に際して舞台を横浜に設定した。横浜を選ぶ理由はどこにあるのか。

 ◆市が広く統括

 横浜が舞台の「きょうは会社休みます。」や「世界一難しい恋」でロケーションを担当した男性(51)は「港街のきれいな景観から、歴史的建造物、商店街のにぎやかさ、裏道の雑然とした雰囲気まで、多様なシチュエーションを近場で撮れること」と説明する。予算や日程が制限されるテレビドラマでは、宿泊せずに撮影できる都心からの距離も魅力となる。男性によると「市の統括する範囲が広く、市バスなどの撮影も調整してもらえるのは大きい」という。

 一方、乱闘など過激なシーンが含まれる場合は、観光地が多いが故に撮影場所の設定に苦心することも少なくない。横浜FCの担当者は「『悪いイメージがつく』と嫌がる方もいる。関係者の説得や、近い雰囲気で撮影できる別の場所の提案を行うのも、重要な仕事です」と話す。

 ◆撮影誘致加速へ

 とはいえ、「『ぜひうちでも撮影して横浜のよさを伝えたい』と積極的な方が多いのも横浜の特長」(同担当者)。麺工房あかつきが初めてドラマの撮影に使用された「喰いタン2」(主演・東山紀之さん)で、同店は「店主が殺される店」として登場したが、広瀬さんは「抵抗はなかった。その時もドラマを見た方がたくさん訪ねてくれた」と笑う。

 今月初旬、「神奈川県警横浜中央署」を舞台としたアクションコメディー「ラストコップ」の主演、唐沢寿明さんと「レンタル救世主」の主演、沢村一樹さんの表敬訪問を受けた林文子市長は、「横浜の魅力を発信する機会を逃すのはもったいない」と強調。「市が協力的で撮影がしやすい雰囲気ができている」と話す唐沢さんに、「次は市長公舎も使ってほしい」と冗談まじりに語るなど、撮影誘致の取り組みを加速させる考えだ。