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食とアートを融合、農の素顔PR 「フードスケープ」アーツ前橋で21日開幕

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食とアートを融合、農の素顔PR 「フードスケープ」アーツ前橋で21日開幕

 ■参加者の大半が農家 食べられる作品など20点展示

 農産物など食材とアートを融合させた作品「フードスケープ」を通じて食の未来を考え、農家の素顔を知る企画展があす21日から前橋市のアーツ前橋で開催される。自然、社会、科学などをテーマに、中には食べられる作品も含め約20点が並ぶ。参加アーティストの大半が農家の一面を持つという徹底ぶりだ。関係者は「農業を見つめ直し、県内の農業を盛り上げたい」と期待を込める。(吉原実)

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 今回始まる「フードスケープ-私たちは食べものでできている」は、これまで同館が「衣食住」をテーマに開催してきた「服の記憶-私の服は誰のもの?」(平成26年)、「ここに棲む-地域社会へのまなざし」(27年)に続く第3弾で、地域アートプロジェクトの集大成と位置づける。

 同館はオープン前から県内の食や農業文化に注目。前橋の食事情を探るため「ダイニングプロジェクト-風の食堂」などを開催してきた。住友文彦館長は「消費者の視点でしか理解してこなかった農業を、農家の素顔を知り、アートを介することでそれらへのステレオタイプを打破したい」とねらいを語る。

 今回初めて海外から参加するアーティスト4人の内の1人、フランスの料理人でもあるジル・スタッサールさんは、前橋市内のチーズ工房のチーズや榛東村のカフェが手がけた梅などを使い、1日限定5食のサンドイッチを同館隣接のカフェで提供。ジルさんの言葉と生産者の写真が載ったハンドブックも添え、視覚的にも楽しめ、地産地消をアピールする。

 カフェでは安中市の製糸場提供の蚕を練り込んだタルトも販売する。同時に、近年注目の「昆虫食」についてのトークイベントなどもある。

 22日の「ギブ・ミー・ベジタブル」は、入場料の代わりに参加者が野菜を持ち寄り、料理人がその場で即興料理として振る舞う参加型イベントとなる。

 首都圏に近い立地条件から多様な農産物を供給する群馬。しかし、県の就農人口は27年時点で4万4006人と過去5年で1万3078人も減少し、平均年齢は66・3歳と高止まり状態。アートの力で現状を打破できるのか注目される。同展は来年1月17日まで。