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サイバー攻撃から中小企業守れ 群馬県警と支援団体などが協力協定

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サイバー攻撃から中小企業守れ 群馬県警と支援団体などが協力協定

 サイバー攻撃から県内の中小企業を守るため、県と県警や中小企業支援団体、学術機関が「サイバーセキュリティー対策に関する相互協力協定」を締結した。巧妙化するサイバー攻撃・犯罪への対策が手薄な中小企業を支援するのが狙いで今後は各団体が連携し、対策について講演会実施や情報共有で標的型メールへの対策などを行う。

 これまでサイバー攻撃の主な対象は大手銀行や官公庁に限定されていたが、地方銀行や信用金庫、中小企業にも被害が及び始めている。県内の中小企業は約6万9千社に及び、全体の99・8%を占める。

 県警警務課は「対策が進む大企業に対し、中小は遅れていて『まさか』といった事態になりがち」と話す。また、資金繰りなどが厳しく旧型基本ソフト(OS)のままパソコンを使い続ける例も多いという。

 小田部耕治県警本部長は「官公庁、企業などが保有する情報を狙った事案が相次ぎ発生している」と悪質なサイバー犯罪への注意を喚起した。

 また、インターネットバンキングによる不正送金事件は、今年上半期に全国で857件(昨年下半期比117件増)あり、被害総額は約8億9800万円(同約6億3200万円減)だった。一定期間のみ使用できる「ワンタイムパスワード」の導入などが効果を上げているが、被害額は高止まりのままだ。県内でも昨年の被害額は過去最高の約4250万円に達した。

 今年5月には熊本地震の被災地支援でインターネットを通じ購入した商品代名目で、嬬恋村の男性=当時(60)=が、現金約830万円をだまし取られる特殊詐欺事件も発生した。

 同課によると、サイバー犯罪に関する相談件数、検挙件数ともに上昇傾向にあり、昨年度は計1969件の相談が寄せられ、検挙数は148件にのぼった。

 同課は「相互に連携し、被害を食い止められるよう取り組んでいきたい」とした。 (吉原実)