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キリンビール横浜工場操業90年 見学コース刷新、こだわり表現

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キリンビール横浜工場操業90年 見学コース刷新、こだわり表現

 創業地の横浜・山手工場が関東大震災で被災後、大正15年に移転し、今年で操業90周年を迎えたキリンビール横浜工場(生麦工場、横浜市鶴見区生麦)。見学コースの大規模リニューアルや、海上からのアクセス整備などを進め、平成38年の操業100周年を見据えた取り組みを加速する。

 同社は、生麦での操業開始90周年に向けて設備投資を進めてきたが、目玉は今月1日から本格稼働した見学コースの大規模リニューアルだ。特に、通常、ビールの仕込みを行う大きな仕込み釜の中身は見ることができないが、釜の外観や周辺に立体的に動画を映しだす「プロジェクションマッピング技術」を採用。釜の内部の様子のわかりやすい映像が釜などに投影され、同社主力製品「一番搾り」の製法をより詳しく知ることができるのは圧巻だ。また、缶の製造ラインは、まさに自分が缶になった目線で、どのような工程を進むかを体感できる高画質の映像を用意した。

 全体に、「単に機械で大量生産している、というのではなく、ビールの作り手それぞれの思いがわかるような展示も多くし、『ものづくりへのこだわり』を表現する施設にした」(佐藤こはる同工場総務広報担当)という。

 また、みなとみらい地区などから海上アクセスで工場まで来られるよう、工場に近接する入江川護岸に観光船の発着が可能な「キリン桟橋」を新設。複数の事業者が山下公園桟橋、象の鼻桟橋などとの間で往復便を運航する運びだ。

 勝間田達広横浜工場長は、「横浜工場の発展も重要だが、それ以上に京浜工業地帯や、生麦をはじめとする工場近辺の地域全体が発展することを望んでいる。見学コースの魅力向上などでリピーターが増えれば、街の発展にもつながる」と期待を込める。最近では、近隣エリアに工場を持つ森永製菓や東芝などとコラボレーションしたイベントを実施するなど、地域全体で大きな輪を作る試みも進む。

 勝間田工場長は「これまで(敷地内の)自然を豊かにすることに力を入れてきたが、さらに、『ものづくりの楽しさ』を伝えていける施設に発展させたい」とし、次の操業開始100周年を視野に入れる。