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「ゆかりの足利で保存活用を」 継正の刀と槍、市に寄贈

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「ゆかりの足利で保存活用を」 継正の刀と槍、市に寄贈

 足利市民文化財団に17日、江戸時代の刀工、下坂継正(しもさか・つぐまさ)が足利で作刀した「わきざし」(県指定文化財)と「槍(やり)」が県内の愛刀家2人から寄贈された。堀川国広の脇差展示を機会に、「ゆかりの足利市で保存活用を」と相次いで申し出があった。刀剣ファン待望の「山姥切(やまんばぎり)国広」が来春にも展示予定となったことに次ぐ朗報で、足利市では当分、刀剣ブームが続きそうだ。

 「わきざし」(刀長54センチ)は宇都宮市の高橋重夫さん(84)、「槍」(同15センチ)は足利市の田部井勇さん(81)がそれぞれ寄贈。2本とも銘に「足利作之」と入っている。東京国立博物館の酒井元樹研究員によると、刀の銘に作刀場所を刻むのは珍しく、国広の脇差にある銘「足利学校作之」を意識したとみられる、という。

 継正は江戸時代の元禄年間(1688~1704年)に活躍した刀工で、三代越前下坂康継の門人。成田山(千葉県)に足利打ちの脇差が奉納されたこともある。初代下坂康継は徳川家康のお抱え鍛冶(かじ)で、「御紋(ごもん)康継」「葵下坂」と呼ばれた。

 記者会見で高橋さんと田部井さんは「国広の展示が全国的に大好評なのを知って寄贈することにした。広く公開し、日本刀の素晴らしさを伝えてほしい」と話した。また、和泉聡市長は「国広が縁で大変貴重な刀と槍を寄贈していただいた。歴史と文化の街にふさわしい作品」と謝意を示した。2点は年内にも一般公開の予定。