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新潟知事選敗北に自民県連衝撃 戦術見直し不可避、公明も危惧

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新潟知事選敗北に自民県連衝撃 戦術見直し不可避、公明も危惧

 16日に投開票された知事選で、国政与党の自民、公明両党の推薦を受けた前長岡市長の森民夫氏(67)は共産、自由、社民の3野党が推す医師の米山隆一氏(49)に約6万3千票差を付けられて落選した。公認候補が僅差で敗れた7月の参院選新潟選挙区に続く連敗となり、自民党県連にはショックが広がっている。安倍晋三首相が来年1月に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が強まる中、選挙戦術だけでなく組織の在りようも見直しが迫られている。

 参院選の教訓が生かされず組織の連携が機能しなかったのか、それとも組織自体が弱体化しているのか-。敗れた森氏が姿を見せない中、県議会棟で17日に開かれた同党の党議の後、柄沢正三県連幹事長は「争点が原発再稼働の是非に特化され、浮動票が相手に流れた」と報道陣に説明。その上で「県政の発展性をめぐる政策論争がなかったのが残念だ」と語った。

 泉田裕彦知事が8月30日、急遽(きゅうきょ)不出馬を表明したことで、森陣営や森氏を支持する同党県議らの間には一時「楽勝ムード」が漂った。米山氏の出馬が決まってからも、民進党が自主投票を決め、連合新潟が森氏を支持したこともあり「まあ大丈夫」(自民党県議)と危機感は薄かった。

 しかし、米山氏側は森氏との違いを明確にするため、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に否定的な姿勢を強調。再稼働に反対する有権者を引きつけた。「共産、社民などの戦術が上手だった」(帆苅謙治筆頭副会長)と、選挙戦術で後手に回ったことを認める。

 慌てた党本部が国政選挙並みの応援態勢を敷き、ついには安倍首相が泉田知事と会って森氏への支援を要請するなど、なりふり構わぬ手に出たものの「時すでに遅し」だった。

 無党派層の取り込みに失敗したことに関し、柄沢幹事長は「選挙戦中盤から『国とのパイプがない政党に後押しされた知事で、県政は大丈夫か』と問いかけてきたつもりだが…」と振り返る。次期衆院選に向けた戦術の練り直しには「自公が協力し総力戦で戦う」と述べるにとどまった。

 自民党の戦術が固定化していると公明党は危惧する。同党県本部の志田邦男代表は取材に対し「動員・業界団体型ではなく、有権者の立場にたった草の根の活動でないと通用しない時代になった。今後どう変えられるかだ」と指摘した。