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熊本地震半年 県が被災者の「心のケアセンター」

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熊本地震半年 県が被災者の「心のケアセンター」

 半年が経過した熊本地震で、被災者の心のケアが課題になっている。仮設住宅入居で避難所は解消されつつあるが、疲れがたまり精神面に不調が表れやすい時期だからだ。熊本県は17日、精神科の医師や臨床心理士、保健師らが相談に応じる「こころのケアセンター」を熊本市内に設けた。

 「発生直後は周りと絆を感じてエネルギーにあふれるが、徐々に『頑張ろう』という言葉が嫌になり、続かなくなる。悩みを受け止める態勢が必要だ」

 熊本市で9月に開かれた災害後の自殺を防ぐ学習会で、講師の前田正治・福島県立医大教授は、こう訴えた。

 前田氏によると、一般的に災害から半年がたつと、世間の関心が薄れる半面、被災者の心の問題が顕在化しやすい。

 県精神保健福祉センターの精神科医、矢田部裕介氏(41)は最近、仲間の医師から患者の調子が悪いという話をよく聞くようになった。疲れがピークに達し、やり場のない怒りや不満が心身に表れやすい「幻滅期」に入り始めているとみる。「うつ症状が出たり、アルコール摂取量が増えたりする人が多くなる」という。

 自殺予防を目的にした「熊本いのちの電話」の被災者専用相談ダイヤルの着信は、8月の4285件から、9月は5244件に増えた。10月も13日現在で1913件に上り、電話はつながりにくい状況が続く。

 事務局の池田菖子氏(69)によると、「生きる気力がない」と深刻な内容もあり「緊張の糸が途切れ、我慢の限界に来ている人が多い」とみる。